内容説明
随筆の名手がつづる懐かしい日々。豊かな人生。日本とフランスの旅、宿、味。映画を語り、アフリカ旅行の夢を追う滋味たっぷり、豊穣のエッセイ44編。興味つきることのない池波正太郎のラスト・エッセイ。
目次
年賀状
賀状記
俎板と庖丁がない家
私の一本の映画「元禄忠臣蔵・前篇」
「モリエール」の酔い心地
還暦に思う人生
玉の湯旅館と豊後牛の網焼き
夏休み
晩年の植草さん
子どもの夢〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
R
41
亡くなるまでの晩年のエッセーを集めた本。相変わらず映画好きで、そこに対する鋭い批評は読んでいて面白いし楽しいのだけど、日々弱っていくからだへのボヤキや、酒量が目に見えて減り、もはや飲んでいないという言葉があるのが切ない。おそらく最後であろうと嘆きながらパリ旅行の行程が語られているのだが、そこで元気を取り戻して、またもう一度来られると言い聞かせるような言葉で〆ているのが印象的だった。達観と簡単に言ってしまうのに戸惑いを覚えるが諦念のようなものが見えて切ない。2025/09/20
鏡也
19
池波正太郎さんとはどんな方なんだろう?そう思って手に取った一冊です。映画に詳しく、美食家でフランス好き。知らなかった彼の一面が垣間見えて嬉しく思う。鬼平犯科帳についてもちょろっと触れられているので、ファンとしては嬉しい一冊。2016/09/22
Makoto Yamamoto
2
好みの作家の一人池波正太郎。他界して既に28年も経っている。図書館で見かけたので手に取って、そのまま読んでしまった。 60歳の時に80歳を超えて生きるとの占いもあったとのことだが、実現しなかったのは惜しまれる。 年賀状は3月には印刷に出し、一人一人に向けて書き込みをするなど、几帳面さが伝わってくる。 他界、2年くらい前から食欲が落ちている表現が見られ、67歳が天寿だったのかもしれない。 80歳くらいまで生きていたら、鬼平犯科帳、剣客商売、藤沢梅安が完結?さらに新しい分野の小説が世に出ていただろう。 残念。2018/09/25
Makoto61
2
一気に2冊読んでしまいました。やはりおもしろい小説を書く人はエッセイを書いてもおもしろい。どこがというのはうまく表現できないけど、読みやすい文体で適切な言葉の選択の妙なんだろうなと思います。昭和の話でもう30年も前のことなんだけど、ついこの間のようで自分も年取ったなと思いながらおもしろく読みました。2015/02/26
うにこ。
2
短いエッセイ集です。 一連の食べ物エッセイを書かれたころからまたさらに年を取ってて、老いが手に取るようにわかるのが悲しい。 枯れていってるのがわかるというか。2003/10/11




