内容説明
随筆の名手がつづる懐かしい日々、豊かな人生、味な旅、取材の旅、そして人生の旅。人に会い、町を知り、明日の食事を想う著者の伸びやかな心が溢れ出る名篇49篇を収録。池波正太郎のラスト・エッセイ。
目次
このごろ
薬味
「幕末残酷物語」
伏見桃山城
悪友同窓会
「幸吉八方ころがし」永井竜男著
星と水
時代小説について
必要なのは年期
なまけもの〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
R
45
活力みなぎる頃のエッセー。道楽旅という楽しみについての語りもよかったが、痔に関する体操治療の話しが面白かったというか、よほど有難がられたのか、あるいは自身の辛い経験もあってか精密に深く書かれていて楽しい。時代だなと思う細君やご母堂との関係は、現代との意識の差というのをありあり感じるが、そういう差というものが、その当時をもってしても、かつてよりもよくなったとしてあるというのが不思議だと感じる。2025/09/23
メイロング
4
たまに読みたくなる池波さんの文章。変わった話が聞きたいじゃなくて、語り口に「ひたりたい」気分で読むという、ちょっと他にはない読書ができる。そのせいか収録されてる話に「これ」といった印象が少ないのも不思議な話。以前と比べて、「池波さんが悲観していた未来を私は生きている」という思いが強くなりました。それでも負けずに楽しんで生きてやろうという半面も起き上がってくるのもまた不思議。2012/09/24
ZEPPELIN
3
タイトルの割に、旅に関するエッセイは半分ほど。昭和40年前後に様々な雑誌や新聞に掲載されたものを集めたものらしく、内容がかぶるものもチラホラ。この辺りから「古き良き日本」が失われていったということなんだろうか。都市化が全国的に進む状況に寂しさを感じている池波さんの文章がまた哀しい。それはともかく、出征する時に、池波さんがお世話になったという吉原の女郎に池波さんの母上が「長々とお世話になって……」とお礼に行くエピソード、ほっこりするなぁ2013/12/26
次元大吉
1
池波正太郎先生が40代の頃に書かれているエッセイを集めたもの。色々なものに掲載されていたものを集めているので内容が重なっているものもありますが、そこが、逆にこのころの池波先生が興味を抱いていたことなんだなぁということも感じられます。食の話、酒の話、時代小説を作るための下準備の話などは、流石だなぁと感じるエピソードが沢山ありました。2015/01/16
孤灯書屋
0
⭐️⭐️⭐️2022/10/18




