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内容説明
存在論は古代中世以来、ヨーロッパ哲学の根本課題であった。ハイデガーはこの伝統を新たに取り上げ直し、存在の根底を見つめ、生存の基底を直視し、実存の深みを見定めようとする。
目次
内存在そのもの
現存在の存在としての気遣い
第2篇 現存在と時間性(現存在の可能的な全体存在と、死へとかかわる存在 本来的な存在しうることの現存在にふさわしい証しと、決意性)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
48
現存在として見出されたのは、世界内存在としての開示性だ。だからといって頽落が全面的に批判されているかというと、そうではない。「現存在の存在機構には頽落が属している」とあるように、頽落する部分(時間)も含めて現存在なのだ、と読み取れる。気遣いといえば周囲に合わせるように思えるが、おのれ自身に開示することよって固有性を保持し、上手くいく部分だけでなく、失敗にも焦点を当てるような意外と柔らかい箇所があることが、高い評価の理由のひとつではないか。第1篇と第2篇ともに6章立てになっており、その境界が本巻にある。第22023/07/29
3
「死」について書かれている部分(第四六節~)から俄然面白くなる。2016/12/14
北条ひかり
3
7時間16分。カセットテープ。京都ライトハウス情報ステーションと音訳者さんに感謝。このままの勢いで最後まで通読してみないと、今のところ、なんとも言えないなあ。2016/10/11
肉欲棒太郎
2
不安、本来的な自己、死への先駆、決意性。 ハイデガーは人に鬱になることを推奨しているようにしか思えない。 読む者をメンヘラへと誘う、危険過ぎる書物だ。2017/07/20
鹿野苑
1
難しい。すべてわかって読んでいますなんてとても言えない。でも原典読んで良かった。哲学的用語で突き詰めて理解しているわけじゃないけど、「そう、そういうのわかるわ、ハイデガーさん!!!」という感じで結構一気に読んだ。すっごく丁寧に認識しているもの、自分と思っているものについて順序立てて書いてある。難しい。でもそれ読んだら自分も人間だから「心当たり」があるんだよな。そうそうって。そういうのわかるよ。そう思うことあるよ。ああ、自分が思ってることを言葉で表現したらこういうことになるんだ!というような。2022/11/16