中公クラシックス<br> 存在と時間I

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中公クラシックス
存在と時間I

  • ISBN:9784121600516

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内容説明

現代哲学に絶大な影響を与えつづける巨人ハイデガーは、1927年に刊行された本書の斬新で犀利な問題提起によって、20世紀の哲学界に激流を巻き起こす衝撃的地点に立つことになった。

目次

序論 存在の意味への問いの開陳(存在問題の必然性、構造、および優位 存在問題を仕上げるときの二重の課題―根本的探究の方法とその構図)
第1部 時間性をめがける現存在の学的解釈と、存在への問いの超越論的地平としての時間の究明(現存在の予備的な基礎的分析(現存在の予備的分析の課題の開陳 現存在の根本機構としての世界内存在一般 世界の世界性 共存在および自己存在としての世界内存在―「世人」))

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

40
仮名遣いに癖があった熊野訳よりも大分前に訳されたようだが、古さを感じないので読むのに支障はない。第1編のしばらく経ってから議論が形を成していく。それまでにも、人間の思考にとって存在の考え難さ、それでも存在という存在という存在という存在…を考える唯一の存在である現存在に議論が割かれているはずだが、何回読んでもいつもなぜか見失う。この議論の焦点が合った状態は、本来の存在の問いとの解像度とは異なる感触があり、上手く全体と部分の関係を理解するために目次を何度も読み返す。未完の目次は本来の意図とは異なるところで切断2023/07/17

北条ひかり

4
7時間12分。カセットテープ。京都ライトハウス情報ステーションと音訳者さんに感謝。正直、かなりわかりにくい翻訳だと思う。岩波文庫の新訳版全4巻にすべきだったか、ちょっと反省している。光文社古典新訳文庫版全8巻が完結したら、そっちを読んでみるかなとも思う。(中山元さんってものすごいスピードでいろいろな本を翻訳しているけど、大丈夫なのかな?) 今のところ、自分の頭の中で勝手に言い換えないように、そのままの用語・コンテクストのまま理解するようにしているが、全3巻を通してどこまで理解できるのか、かなり不安である。2016/10/10

えこいのさん

3
渡邊二郎の訳書はどれも圧倒的。ハイデガー著書はどれもジャーゴン・造語の押収で、原語のドイツ語、さらにギリシャ語を参照しないと全く意味がわからない。そういう意味で、渡邊さんの訳注は圧倒的だし、訳文自体も非常に読みやすい。ちくま版は読んでないからわからんけど、岩波よりは絶対オススメ2010/06/07

肉欲棒太郎

2
「世人はおのれの本来的な独裁権をふるう。 …世人は、いかなる特定のひとでもなく、たとえ総計としてではないにせよ、すべての人々であるのだが、そうした世人が、日常性の存在様式を指定するのである。」 「平均性は、でしゃばってくるあらゆる例外を監視する。」 この辺り読んで、「共謀罪」成立を巡ってなされた「一般人」(世人!)は対象になるかどうかとかいう愚劣な議論を思い出してしまった。2017/07/14

ジョンとらぼるた

2
「つまり、環境世界的に配慮的に気遣われたものにおいて他者たちは、他者たちがそれである当のものとして出会われるのである。他者たちは、他者たちが従事している当のものなのである。…決定的なのは、他者たちの支配が、目立ってはおらず、共存在としての現存在によって思いがけなくすでに引き受けられているということだけである。…世人は、平均性のうちにおのれを保持している。…平均性は、でしゃばってくるあらゆる例外を監視する。」「平均性の気遣い、懸隔性、平均性、均等化⇔公共性」第26章、第27章はなんとなく身に沁みた。2013/04/09

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