内容説明
袴田は編集者の芝野から息子の浩の悪行と家庭崩壊のすべてを暴露するノンフィクション『鬼子』の執筆を迫られていた。断れば作家生命を失う。本を出せば生き恥をさらす。収入源も断たれ苦悩するが、娘の詩織が自殺し、完全に地獄に突き落とされる。それでも浩の暴挙はエスカレートし、ついに息子殺しを決意する。最後まで目を放せない衝撃作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
133
上下巻からなる作品でしたが、ほっこり系、ほのぼの系の作品が好きなしんごろには、体力を削ぎ落とされ、精神的にもしんどい作品でした。新境地開拓にはハードル高すぎの黒新堂冬樹!ギャーッとまではいかないが、ウワーッとなる。ウワーッとなったところで、休憩。とにかく読むのがしんどい!だけど読みやすい…複雑な心境。主人公・袴田にはムカムカしますが、志村の心理カウンセラーとして、救えなかったという苦悩が、ピュアな感じがあって、良かったかな。本を読んでヘロヘロパーになりたくないですね。2017/11/28
あーびん
27
手に負えない息子をとうとうまぐろ漁船に引き渡す決心をした父親。息子がグレた衝撃の理由!ゲスい奴が多すぎる!!2020/03/14
ぴかりん@マヨ
25
娘の自殺をきっかけに、次第にエスカレートしていく息子を殺す事を決意する主人公。上巻から気になっていた、浩が鬼子になった理由や、妻の秘密がわかるんですが…衝撃的過ぎました…。怪しかった編集者の芝野が裏で何をしていたのかもわかって、スッキリ…するはずなんだけど内容が重た過ぎてできません!(>人<;)笑。すごいの読んでしまったなーと思います。最後まで酷い話でしたが、なんだかすごく印象に残るというか、鬱な気分共々ずっと尾を引く感じで、しばらく忘れられそうもないです(´;ω;`)2016/12/15
ヤス
18
9 豹変した息子の悪行はどんどんエスカレートしていき、袴田の家庭は完全に崩壊。暴力、レイプ、殺人、もう何でもあり。心優しかった息子がなぜ…。後半、その原因が明らかにされていくが、そこには思いもよらぬ驚愕の事実が…。真実を知るにつれて物語そのものの見方が二転三転するプロットはすごいの一言。これが新堂冬樹か。誰にでもおすすめできる内容ではないので大きな声では言えませんがオススメです。2016/02/28
007
16
衝撃。凄かった。一見平和に見える家族が本当の地獄へ救いようがなく落ちて行く。本当の鬼は誰なのだろうか。袴田の自分勝手さにもちょっと腹がたつし気持ちが悪い、が一気読み。2017/02/15