内容説明
昭和5年7月、豪華客船・箱根丸(はこねまる)は横濱(よこはま)港を出港、倫敦(ロンドン)へ向かった。出港早々、殺人事件の容疑者が乗船していることがわかり、大騒動に。その後も、男爵令嬢(だんしゃくれいじょう)の逃亡騒ぎ、幽霊船の出現など、奇妙な事件ばかりが起こって……。じゃじゃ馬令嬢から意外な名探偵まで、魅力的な登場人物たちが大活躍。ミステリーの楽しみがギュッと詰まった、傑作オムニバス・ストーリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
116
オムニバスミステリー。若竹さんらしい作品ですが読み始めは登場人物が多くて誰が誰やらって感じ。2016/09/09
ちょこまーぶる
82
何となく時代背景についていけない思いがした一冊でしたが、内容としては、昭和5年の豪華客船の旅の中で起きる様々なアクシデントを解決していくミステリーで、一話ごとに色があって面白く読み進むことができました。お気に入りの一話は「船上の悪女」でした。でも、今まで読んだ作者の本に比べると、少し物足りなさを感じてしまう感はありましたね。どうしてだろう?やはり、ちょっと歴史に苦手感があるからか時代背景が現在ではないことが原因だろうか?不思議ですね。でも、好きな作家さんの一人には変わりないです。2015/12/05
セウテス
76
舞台は昭和初期ロンドン行きの豪華客船の中、全7話からなる連作短編集。何となくノスタルジーを感じる世界観であり、1話毎にミステリだったりホラーだったりテイストが違う。主人公も1話毎に代わるので、この作風を楽しめるかどうかで、評価が分かれる所だろう。私は楽しんだだけではなく、作者の器用さに本当に感心させられる。どの作品もひねりが効いていて、思わずニヤリとしてしまう。驚きのどんでん返しが在るわけではないが、順番に読んで来たからこそ分かる結末が待っている。最後に毒が洗い流され、ホッと出来る様な終演になるのが良い。2017/10/17
あつひめ
55
登場人物がそれぞれ個性が光り、一話ごとに様々な仕掛けありでとても楽しませてもらった。あの時代の船旅といえば贅沢としか言いようがないけれど、長い時間を過ごす旅の中で名探偵が大活躍。読むときはゆったり時間の取れる時の方が味わい尽くせるかも。2017/12/30
ゴマ
37
本年29冊目、若竹七海さんは3冊目。昭和5年横浜港から今話題のロンドンにむかう箱根丸にて巻き起こる船旅ミステリーのてんこ盛りという感じ。登場人物が多く、若干わかりにくい話しもありますが当時の船旅の様子などミステリーを通し楽しめました。2016/06/26