月光の東

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月光の東

  • 著者名:宮本輝【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2013/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101307138

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内容説明

「月光の東まで追いかけて」。出張先のカラチで自殺を遂げた友人の妻の来訪を機に、男の脳裏に、謎の言葉を残して消えた初恋の女性の記憶が甦る。その名前は塔屋米花。彼女の足跡を辿り始めた男が見たのは、凛冽な一人の女性の半生と、彼女を愛した幾人もの男たちの姿だった。美貌を武器に、極貧と疎外からの脱出を図った女を通し、人間の哀しさ、そして強さを描く傑作長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

89
久しぶりの宮本照作品。再読かどうか不明(苦笑)。似たストーリーは読んだような気がするんだけど。結論:長かった。この3分の2くらいの長さだったらもっとシャキッとした作品になったのでは。美貌の「よねか」は最後までミステリアス(褒めてない)だったし、自殺した加古の心情も闇の中。頻繁に出てきたカラチはカラチである必要はあったのか?喪失と再生の物語、というわけでもなさそう。精神科医の安倍先生が救い。「生きるということは、自分を肯定するところから始まる」こんな先生に会ってみたいな。2015/04/10

B-Beat

48
★今年の積読本消化第1号。ある企業戦士が異国の地で自殺する。その現場に刻まれた痕跡に絡む謎の女性を巡って旧友とそして残された妻が後を追う。旧友の語り口は丁寧な独白形式。妻のそれは日記形式。謎の女性は才媛かつ並はずれた美貌の主ながらその過去は薄倖で…なにやら東野作品「白夜行」や「幻夜」の女主人公が彷彿される。これは宮本さんが試みたミステリーかと読み進めると…。丹念に描かれていた女性の運命に何を想うか、冒頭の謎解きにスリルを求めるか。そこらあたりの読者の傾向で読後の納得感、満足感は違ってくるな、そんな読後感。2015/01/08

エドワード

33
<月光の東>という言葉は何を意味するのか。13歳の時「私を追いかけて!」と同級生を誘い、18歳の時、女友達に「彼と私は男と女よ」と言い放った女性、塔屋米花。米花の消息を追う二人。大手商社社員の杉井淳造。夫に自殺された加古美須寿。美須寿の夫と淳造は米花の中学の同級生だった。信濃大町から始まる旅は、糸魚川、北海道、京都、カラチ、古代の月氏国へと続く。証言者たちは曲者ぞろい。果たして米花は聖女かファムファタルか?ミステリアスな道行を競馬や骨董が彩り、大人の恋ごころがキラリと光る。この雰囲気が宮本輝さんだね。2015/04/22

32
登場人物が多く交錯するが、基本宮本輝が好きだからついていける。まぁ、女性関係のお話は好きだし、因果な謎の部分もほど良くいいが読了後はやや暗くなる。勉強になります。2014/11/27

June

28
中学時代の同級生が異国の地カラチで自殺した。その直前まで初恋の女、米花が同宿していたことを知る。暗くなった夜道で二人過ごした淡い想い出を残し引越していったまま消息の知れない女。三十年も経って、その女の足跡を探る。夫に自殺され残された妻。その妻も嫌悪の対象である米花の消息を辿る。米花は謎めいていてなかなか姿を表さない。陰があり、人を惹きつける魅力がある。心乱された48歳の男と42歳の女が、関わりのあった人たちから少しずつ米花の話を明かされ、時間とともに平静を取り戻して行く、その心情の移り変わりを私は覗いた。2014/05/25

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