内容説明
〔ローカス賞受賞〕青年エンディミオンが少女アイネイアーを守り、地球にたどりついて四年。アイネイアーは救世主たる自らの使命を果たすべく、パクス支配領域への帰還を決意した。だが、パクスを裏で操る〈テクノコア〉は、ひそかに彼女の追跡を再開していた……現代SFの頂点を極めた未来叙事詩四部作完結篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
99
ハイペリオンシリーズもこれで最後となりました。このエンディミオンの覚醒はものすごく分厚く私は昔に購入しているので、読むたびに1枚づつはがれてバラバラになってしまいました。やはり全宇宙の考え方を変えていくのには犠牲が必要ということでアイネイアーがキリストのような状況に。強力な怪物のネメスとの対決を制したエンディミオンのもとには・・・。この巻にはまたキーツの詩がいくつか掲載されています。しかしながらキールの詩からこのような壮大な物語を考えつくのは天才ですね。2025/06/18
ふりや
20
久し振りに、小説を読んで泣いてしまった…特に最後の200ページほどは胸が詰まってつらいのと、興奮して先が気になるので変に感情が昂ってしまいました。上下巻合わせて1400ページの文章の全てが、もっと言えば『ハイペリオン』から始まる4部作の様々な物語や登場人物の全てがラストに凝縮されていく圧巻の一大叙事詩。本当に最高でした。基本的に「楽しめる小説だったらラッキー」くらいの気軽な気持ちで読書してるのですが、たまにこういう素晴らしい作品に出会えてしまうから止められません。SFの金字塔のひとつと言えると思います。2020/06/07
Small World
16
そのボリュームから、ハイペリオン二部作で十分と思っていて、長らく積んでいたエンディミオンのシリーズなんですが、その最終巻をようやく読了です。エンディングは途中途中で”そういうことだろう”と予想はついていたのですが、懐かしい人物たちが次から次にと現れてくるのが楽しくて読み上げちゃいました。よく練られた四部作で、もう一度ハイペリオンから再読したくなるのが困りものですね。2024/08/27
kurupira
15
ついに長い旅が終わってしまった。。ラストはいろいろ予想通りだったが、巻末の解説を読んでの気付きもあった。やり残しは、番外編的なのがあるか探しと、実在したジョン・キーツの詩集ハイペリオン探しだな。wikiも後でチェックしよう。そして5年か10年後にでも再読巡礼に出ねば。2020/01/28
武夫原
15
「ハイペリオン」からの謎がずいぶんと語られた。すっきりした部分もあれば、まだすっきりしない部分もある。下巻ではなんと言ってもアイネイアーとエンディミオンの愛!が羨ましい。嫉妬に苦悩するエンディミオンだが、最後はやはりな、という展開だった。しかし、時間を自由に行き来して混乱するのは確か。未来から過去へと逃げてきた人類のUIの「共感」とは何だったのか?未来で3000のシュライクと3000の人類が最終決戦をするという話や時間の墓標を作り過去へシュライクを送り込むという話がすっきりしない。2017/09/22