内容説明
朝廷の大軍を退けた蝦夷たちの前に、智将・坂上田村麻呂が立ちはだかる。威信を懸けた朝廷の逆襲がはじまった。信に足る武人・田村麻呂の出現で、阿弖流為は、民のため命を捨てる覚悟を決めた。北の大地に将たちが1人、また1人と果てていく。蝦夷の心を守り戦い抜いた古代の英雄を、圧倒的迫力で描く歴史巨編。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
139
火怨 北の燿星アテルイ下巻。下巻は圧巻読み応えありました、阿弖流為、母礼、飛良手や阿弖流為に従う友のすがたに又田村麻呂と阿弖流為宿敵を超えた何かに黙示以降は涙。京都清水寺にある阿弖流為、母礼の顕彰碑に行ってきます、シネマ歌舞伎公開日:2016年6月25日もぜひ観てみたい。2016/03/30
レアル
62
上巻から続く蝦夷の心を賭けた朝廷Vs蝦夷の戦い。蝦夷の策に見事に嵌り朝廷を蹴散らす爽快な戦い。でもラストは…。阿弖流為たちの蝦夷の未来を思う戦いぶりに天晴!だったし「蝦夷は人にあらず」と朝廷に獣扱いされた蝦夷の誇りを阿弖流為に見せて貰った素晴らしい作品だった。2018/07/04
つーこ
60
蝦夷の民と誇りを守りたいだけの阿弖流為たち。執拗に戦いを挑んでくる朝廷に対し、負けもせず勝ちすぎないという難しい立場を死守する彼ら。和睦なんて認めない態度の朝廷との戦いは、この先何年続くのか?自分たちが始めた戦いを子供達にも強制するのか?このあまりの難問に私は恭順でもいいかも・・と心が折れそうになったが、阿弖流為の決意はもう涙なしには読めなかった。あまりの阿弖流為の熱き思いに、読み終えてもまだ呆然としている。2017/09/23
kawa
59
古代の東北・蝦夷の防衛戦を堪能。ライバル関係にある阿弖流爲(あてるい)と田村麻呂、そして取り巻きの武将達を活写、束稲山(たばしねやま)・東岳の要塞戦を始めとする戦闘シーンも出色の迫力。阿弖流爲の「勝つことに飽きました」と言いつつの驚愕の企みでクライマックス。著者の匠なストーリー仕立てに脱帽です。2020/06/05
たいぱぱ
57
ラスト50ページの展開に圧倒されしばし呆然。阿弖流為、母礼、飛良手、伊佐西古そして坂上田村麻呂。男の中の男たちの戦いと友情、そして美事な散りぎわに涙。阿弖流為と母礼の超絶にして人間愛溢れる策略に驚愕の感動。今尚、東北の人達に崇められてるという阿弖流為たちの生き様に壮絶に心撃ち抜かれ起き上がれません。2018/09/13