- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
精神の働きは無意識の記憶から強い干渉を受けている。その「無意識の科学」の存在を人びとに理解させようとした書。Iのしくじり行為、夢の分析に続き、IIはノイローゼ諸現象を扱う。
目次
第3部 ノイローゼ総論(精神分析と精神医学 症状の意味 外傷への固着無意識 抵抗と抑圧 人間の性生活 リビドの発達と性愛の組織 発達および退行という観点病因論 症状形成の経路 普通の神経質 不安 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
41
第3部のノイローゼも、リビドの流れの不全にあるというこれまでの科学的なモデルの延長にある説明がなされます。しかし、そもそも性的な欲動が、そんなに根源的なものなのかという疑問には答えがありません。このテーゼが議論の前提になっているからです。むしろ多くの聴者と読者はノイローゼには困っておらず、過去を振り返ると「しくじり」が示唆する悔恨に心当たりがあり、当時の気持ちと折り合いを付けたいと集まってきているのではないかと推測します。この講演がニーズに合っていないことに皆戸惑い、100年経ったというところでしょうか。2022/03/22
そふぃあ
8
ポイントは、ノイローゼが遺伝ではなく環境に依るものであること、無意識を意識的なものに置き換えることが精神分析で重要であること、かなと思います。 それからリビドやエディプス=コンプレックスといったフロイトにおいて代表的な説についても記されていた。 興味深かったのは、性的なものに対する境界線についての説明で、乳児期は性的欲動部位が乱立する「無政府状態」だそうで、これを統合しないとヒステリーにつながるとか... 全体的に内容がつかみにくいです。 2014/09/20
ヴェルナーの日記
6
「精神分析学入門」として講義した内容「ノイローゼ総論」~「精神分析療法」までを収録。中でも第25講の「不安」におけるフォビア(恐怖症)、暗所恐怖症・閉所恐怖症等の講義はとても興味深かった。ただ本書を読み終えて気になったのは、第23講の「病状形成の経路」について、彼はノイローゼの原因をリビド固着による素因と偶発的体験【外傷的体験】とした。リビド固着による素因の幼児体験と性的体質【先史的体験】の性的体質とは、先天的による親から受け継いだ獲得形質としているが、この見解は現在では完全に否定的なものとされている。2013/06/06
普通のあかだ
1
言い回しのくどいところと内容の難解なところが見極められなくて必要以上に手間取った。3分の1くらいは疑ったままでいたいなあ2012/08/17
邪馬台国
1
1に比べると内容が難解だった。要所要所引っかかるものはあるけど、全体を通してはもうついていきづらかった。でも面白かったです。2012/05/31