講談社文芸文庫<br> 成城だより 下

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講談社文芸文庫
成城だより 下

  • 著者名:大岡昇平【著】
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  • 講談社(2014/05発売)
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  • ISBN:9784061982512

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内容説明

毎月の文芸誌に目を通し、文壇のみならず時代と社会現象一般に眼を向け、自分を老生と呼びつつ、好奇心を躍動させ、文学、映画、音楽等を批評する。ランボーがスタンダールとともに自己の中に在ると感じ、また「事件」のゲラを読む。心臓、体力の限界を心配しつつ堺事件調査の旅行にも出る。「文学界」1986年2月号まで書き継ぎ大岡昇平を雄弁に語る、知的刺激と人間味溢れる好エッセイ。上下2巻。

目次

成城だより 2(つづき)(一九八二年九月一日~十二月十五日)(ひどいことになって来た 旅と腹立ち 「声なき叫び」 それはさうにちがひない)
成城だより 3(一九八五年一月一日~十二月十三日)(寒い正月 「アマデウス」 遅い春 批評の季節 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

20
70代も後半になってくるとそうとう身体的にも辛いようだ(70歳で始めたのが1980年から5年が過ぎていた)。同じ文章が繰り返されるのはあえてそのままにしたのか。そんな中でも新たなる興味を持とうとするのには頭が下がる。印象的なのは上野千鶴子の本を読んでいることだ。それも話題作の『スカート~』じゃなくて『構造主義の冒険』。「現実意識と可能意識」について、個人的な意識でも集団的に係わっていく構造、大岡昇平が15年問題にしてきたことをやっと同じ問題意識を持った人に出会えたと。大岡は文学から社会学に至った。2021/07/21

白義

18
老境に入り体力の衰えを仔細に実感しながらもその感性衰えることはなく、萩尾望都や山岸凉子を読み少女漫画史に思いを馳せ、また対極的な少年漫画では北斗の拳から時代を読みとこうとする好奇心、バイタリティはむしろ若い読者をも圧倒するもの。文学においてもすでに昭和の終わりが近づき、地殻変動が起ころうとしている頃で、加藤典洋や石原千秋といった若い世代の仕事から批評の大きな変化を感じ取り、読書録は歴史に科学に小説とオールラウンド、まさしく知的なスーパーおじいちゃん日記ともいうべき日記文学の傑作。レベルの違う幅の広さである2016/09/20

モリータ

8
◆'80-'86年『文學界』連載の日録。休止を挟み三部に分かれる。記事の日付;Ⅰが79/11-80/10、Ⅱが82/1-12、Ⅲは85/1-12。81-86年刊単行本と19年刊中公文庫は三巻組。講談社文芸文庫01年刊(本書、上下巻)。◆友川かずきの中原中也曲への言及があるかと思ったが、なし。◆「遠き外国のことなれど、(注:フランスは)一度は通過せし地なり。その地形の詳細を知るは楽し。その他ボードリヤール『象徴交換と死』筑摩書房(他書名中略)その他読むべき本多し。六十五年を読書にすごせし、わが一生、(続)2024/09/23

yunomi

1
この雑録からひしひしと感じるのは、友人達の死を看取り、衰えゆく身体を意識しながらも、まだ自分にはなすべき事がある、という作家の焦燥感である。最晩年の著者は『堺港攘夷始末』『ながい旅』といった小説を完成させる傍ら、『小説家夏目漱石』『わがスタンダール』など長年の懸案だった作家論もまとめている訳で、この他にも富永太郎全集の編纂にも尽力していたのだから驚くばかりだ。大岡昇平という作家の生き様が、本書にははっきりと刻印されている。2015/03/09

ぱらっぱ

0
70歳代半ばにして旺盛な知識欲、しかも中途で終わらせない徹底した探求心が素晴らしい。富永太郎の全集が完成しなかったのは本当に残念です。2015/02/05

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