内容説明
元刑事・鳴神一介と風来坊の去来正成は、警察で手に余る事件を請け負う、「危機管理サービス」を始めた。最初の依頼は、突然失踪した人妻の捜索。その道すがら出会った超嗅能力犬・頑鉄。臭いを嗅覚でなく脳で嗅ぎとる頑鉄に導かれ、人妻の行方を追う二人は、旧日本帝国陸軍の極秘研究に突き当たった! 過去の恐るべき〃闇の遺産〃を描いた、驚愕のサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inugamix
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[購入本] “脳で嗅ぐ”超嗅能力犬・頑鉄のキャラクタがおもしろい
Lole
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かなりエロティックなハードボイルドだった。官能小説より卑猥だと思えるのは、レイプシーンや児童虐待と言ったセックスシーンが多いためだろうか。注目の超嗅能力犬「頑鉄」の活躍には、フィクションであると分かっていてもリアルに、つまり、動物行動学的に可能な能力であるとも思えてしまう。この頑鉄とよく似た犬の出てくる小説が“恩田陸”の「劫尽童女」だ。この二つの小説を読み比べると、西村寿行がリアルを追求する一方で、恩田陸はファンタジー路線を決して外れない。実に面白い。 2023/02/13
毒モナカジャンボ
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西村寿行の描く男×男のバディものにおいて男はどこか女に対して超然としているところがある。だがここでの鳴神×去来ペアは、女を巡って確執を起こすくらい、女との距離がない。だいたい女を買おうとする主人公が珍しい。いつものパターンだと女の方から取り憑かれたように寄ってくるからだ。話はどんどん取っ散らかる。薬物により超能力を得た人間や犬。そう犬。全てのキャラクターが犬一匹に引き摺り回され、人間は犬のように性的衝動に取り憑かれる。ラスボスを5ページ程度で片付けるあっけなさ。西村寿行は今回もやってくれた。 2019/04/12