内容説明
時は二八世紀、人類社会の辺境に位置する惑星ハイペリオン――今まさに、この星にある謎の遺跡〈時間の墓標〉に封じられた、時を超越する怪物シュライクが解きはなたれようとしていた。その謎を解明すべく送りだされた七人の巡礼者が、旅の途上で語る数奇な人生の物語とは……
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
134
とにかく壮大な話。28世紀。地球はもうない。ハイペリオンに遣わされる7名が道中にそれぞれの話を語る。それがこのシリーズ第一弾のメインのようだ。上巻においては、一人目のホイト神父の語るデュレ神父の事が想像を絶するもので、一番のインパクトだった。信仰とは?ですらなく、巻き込まれた結果の受難の凄まじさに、身悶えしそうになった。その凄さに、後に続く者の話がかすんでみえたほど。2017/07/26
セウテス
80
28世紀、人類は宇宙に勢力圏を広め、数多くの惑星を開発し連邦を形成している。しかし未だ未知の謎を有する惑星ハイペリオンがあり、7人の巡礼がハイペリオンへ向かう。物語は彼らが道すがら自分自身の身の上話を、順番に行う形で展開する。各々の話であった物語が、少しずつ相互に関係しあい、大いなる謎へと近づくのだと思うに期待は膨らんでいく。上巻は司祭、戦士、詩人と語られるのだが、物語は広がる一方で全体像が全く見えてこない。1人の話はそれ自体が楽しめなくもないが、ハイペリオンの謎を解く鍵はいったい何処に在るのだろうか。2021/03/26
harass
60
十年ぶりの再読。あえてベタで嬉しくなるスペオペ設定であるが重層的な物語性と語りで焼き直したSF大作。宇宙連邦政府の危機を救うため選ばれた7人の巡礼者たちが旅たつことに。目的地は謎の遺跡”時間の墓標”、しかし彼らの中に裏切りものが…… 詩人ジョン・キーツの同名詩を下敷きにして、七人の自己紹介も兼ねた身の上話は短編であるが、それぞれの話や全体と入れ子構造に。オカルト、探偵、恋愛、戦争などとあらゆる物語のジャンルを取り入れ、古今東西の名作を想起させる小技がふんだんに使われるも、謎が謎を呼び、グイグイと読ませる。2017/03/07
Kajitt22
46
ウェブの最果て、瑠璃色の空を持つ辺境の惑星ハイペリオン。その謎の遺跡『時の墓標』をめざす7人の巡礼者によって語られる数奇な物語。上巻の3名の体験談はSF度満載でそれぞれ読みごたえがある。10年ぶりの再再読。ダン・シモンズ恐るべし。下巻へ。2023/06/20
波璃子
40
何だこれ!めちゃくちゃ面白い!最初は読みづらかったが、気がついたら没頭していた。巡礼者一人ひとりの語りから知らされる圧倒的な世界。一人分だけで小説が書けそう。まだ上巻1冊読んだだけなのにこんなに楽しいなんて。2018/07/17