新潮文庫<br> 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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新潮文庫
血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

  • 著者名:宮本輝【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 新潮社(2012/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101307527

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内容説明

昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

404
輝やん、ライフワークの第三弾。今、わたしに時間があることはさて置いても、一気に読ませる筆力。ここまでくると登場人物ひとりひとりに愛着さえ湧いてくる。主人公の熊吾でさえ、魅力的に描かれている。この巻では、故郷を引き上げ、家族を連れて大阪へ舞い戻る熊吾。目端が効くため、なにをやっても一応の成功はするのだが。こんな男と一緒では、わたしだったら3日と身も心ももつまい、、、。昔の女は偉い(笑)【婦女子へのDVあり】2019/01/12

KAZOO

165
宮本さんがこのような小説を続けてくれているというのは、ある意味五木寛之さんの「青春の門」を思い出します。それよりももっと人間臭さがふんぷんとするような物語ですが。このような破天荒な生き方の主人公というのは今は流行らないのでしょうね。ですので私は時たまこのような小説で昭和の時代の息ぶきを感じています。この三部で14年間、さらに21年間で8部までです。最後までじっくりと読んでいきましょうかね。2017/04/21

かみぶくろ

82
流転の海第3部。再び大阪に戻る主人公松坂熊吾。新たに手を出す商いは雀荘、中華料理屋、金つば屋、接着剤と、なんでもありの様相。跳ね上がろうとする社会の、豊かな時代。悪戦苦闘を続ける熊吾と、周囲の彩り豊かな人々。とりわけ息子伸仁の成長が愛らしい。大阪の地の埃にまみれた喧騒を、今日も星々が見守っている。2018/12/12

chikara

80
再読。人間ドラマと人心・事象への深い洞察には学ぶべき事柄が多い。 「私は、自分の父をだしにして、宇宙の闇と秩序をすべての人間の内部から掘り起こそうともくろみ始めたのです」宮本氏はこの作品へ記した。 続きがさらに楽しみです。2015/01/29

しゅう

76
6歳になって小学校に通い始めた伸仁。相変わらず病気がちで痩せっぽちな風体だが、自己主張すべきところはし、一本芯の通った子に育つ。父、熊吾は、消防ホースの修繕をする会社、雀荘や中華料理屋、プロパンガスの代理店を生業とし、生活は安定したかに思われたが…。宮本輝の小説は前作の『地の星』の時にも感じたが、エピソードを出し惜しみするということがない。連続するエピソードの数々、それが大きな魅力となっていることは間違いない。それにしても、伸仁の成人まで何があっても生き抜くという熊吾だが糖尿病の治療には熱意がない。残念だ2025/05/14

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