内容説明
「刀が一本」「長剣か短剣か」「じゃんけん」「じゃんけんなんてえものはない。長いか短いか」「いいかげん」(出来心)。軽く、すばやいやりとりも江戸の落語の痛快なところ。愛すべき人々やお化けたちか続々登場するこの巻は「一眼国」「二十四孝」「お化け長屋」「あくび指南」など25話を収録。
目次
出来心
道灌
狸賽
笠碁
金明竹
鹿政談
しわい屋
百川
青菜
一眼国〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
76
落語百選・夏編(25話)。夏のあいだに少しずつ。夏なので、怪談ぽいものもありつつ。「船徳」や「千両みかん」などは最近偶然テレビで見る機会があったお話だった。「船徳」は、この本に載っていたり私がテレビで見たものは部分的なもので、もっと長いお話だと解説で知った。「青菜」や「佃祭」「唐茄子屋」のなかでの江戸っ子らしい会話のやりとりや人情を感じられる部分など、読んでいて楽しいところがたくさんあった。2020/07/23
燃えつきた棒
33
前の方に出てくる噺、「道灌」や「金明竹」のようなばかばかしくて笑える噺が好きだ。 反対に「唐茄子屋」のような人情噺は、やや苦手かも。 よっぽど根性がねじ曲がってるせいだろうが、あまり「渡る世間に鬼はない」的ないい噺は、どうも白けてしまう。 どうやら「横町のご隠居」にはなれそうもない。 バーコードの髪風になびかせ、「意地悪爺さん」今日も行く。 2018/11/10
神太郎
30
夏にちなんだ噺を収録。百川や紙入れなんかは聞いたことがあり、ハイハイと読んだが、全体的には、「春」より苦戦したかな。何故だろうか?あと、夏なので幽霊ものも少しはいってる印象。たが屋は選者も解説で述べてるがやや笑えない感じの噺。こういう血生臭い描写ありなんだとビックリ。佃祭などはYouTubeでみながら読書しました。こういうことができるのがこの本のよさだよなぁと改めて感じる。どうアレンジされてるか楽しめるのは良い!秋と冬もいずれ読みたい。2019/10/14
a43
16
なかなか今回は難しくて、はじめのほうはずっと大辞泉を引きながら読んだ。言葉がわからない。でも途中から知ってる演目も増えてきたので楽しくなってきた。聞くのと読むのではそれぞれ良さがある。わたしは深く知りたいので、読むことも続ける。それにしても、江戸時代の富くじのこととか、生きていたいた人たちの口伝えなので、時代がずっと繋がっているのが感じられてやはりすごい芸だと思う。2015/03/29
砂糖と塩
14
全部で二十五の噺を収録。とはいえ、マクラ用の小話を集めたものも多く、春の巻より若干印象が小粒でした。一方で題材は、夕立、祭、花火、幽霊、鰻…等と現代にも通じるもの多数。もっと暑くなってから読めば、さらに臨場感が増したかもしんないなーと思います。好きな噺はしたたかさと能天気さが入り交じる『出来心』、ぶっ飛んだ三段論法がシュールな『千両みかん』。『唐茄子屋』は前に前半のみの抜粋版を聞いた時はあまり楽しめなかったんですが、ハッピーエンド版をラストまで見たら、一気に印象が変わりました。徳さん、いいヤツだなー。2015/07/08