内容説明
村上美弥子は、悲惨な遺体を生きているかのように蘇らせることのできる専門技術者(エンバーマー)だ。ある日、平岡刑事からの依頼で仕事が舞い込んだ。遺体の主は一七歳の少年で、自らの肉体をナイフで十数箇所も切り裂いて自殺した。いったいなぜ? 完璧な遺体の処置を終えた美弥子は連続殺人事件に遭遇し、何者かに狙われる……。傑作フィジカル・サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
79
強い女性は好きですが強すぎなのも如何なものかと。ある意味イッちゃってます。エンバーマーという尊い職業のせいか数々の危機に面しての精神力だったりカラスの餌付けだったり。なので多重人格者との対面も白けて感じてしまう。ちょっとビミョー。2016/09/26
まぶりな
4
久しぶりに再読。遺体の衛生保全の専門家であるエンバーマーの美弥子が主人公の物語。多重人格を核にした本筋のサスペンスも、もちろん面白かったが、それ以外に日常的に美弥子が行っているエンバーミングの技術に対する記述が、興味深く楽しめた。平成10年出版の文庫なのに、これがシリーズ物だったと今回初めて知った。既に絶版になっていたので、慌ててネットで続きの3冊を購入。読むのが楽しみ!2015/10/14
nekosuke
4
エンバーミングの丁寧な説明がよかったです。あと、身を削って働く主人公の体力に驚かされました。2012/12/29
樽
2
エンバーミングのうんちくはおもしろかった。2016/01/24
Kazuyo
2
[蔵書整理のため再読]初読は十何年前か。この本で初めてエンバーミングという遺体の衛生保全技術を知った。説明が丁寧で明解なので、素人にもエンバーミングの有効性や方法がよく理解できて記憶に残る。ミステリー部分はどこかで読んだ多重人格小説のつぎはぎのようであまり興味を持てなかった。脇役の平岡刑事やセンターの久留米さん、カラスのハンガーなど魅力的なキャラクターはいるものの、主人公の美弥子にあまり人間味が感じられなかったのがシリーズ他3作に手を出さなかった要因か。2013/09/18