いとしのブルーフィルム

著者名：長谷川卓也

青弓社（2013/12発売）

• ISBN：9784787231536

内容説明

大正期から1970年代まで、大衆の秘匿された欲望をプライベート・テクノロジーを駆使して焼き込んだ「青映画」。国家権力とアダルトビデオに駆逐された“もうひとつの映画史”を掘り起こす。
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目次

予告篇（ルビ：まえがき）　ＡＶやウラビデオに追われて近代篇　全盛期の珍談奇話を一挙公開　第１巻　ブルーはさわやかの色だが　第２巻　猥映画立てぬ女も二人でき　第３巻　小説にお目見えした青映画　第４巻　アメリカのポルノ紙での通販もの　第５巻　メンズマガジンの広告から　第６巻　横文字の猥褻ダイアローグ　第７巻　ポルノに増税で国も甘い汁　第８巻　敗戦直後に早くも秘密映写　第９巻　６ミリや１７ミリ半の映画も　第10巻　青映画をエロ写真のネタに　第11巻　内外十二本を紙上で特別公開　第12巻　ポルノ解放区をつくろう！初期篇　活動写真誕生の直後に早くも　第13巻　青映画のご先祖は八十年前に　第14巻　はじめはあちらものばかりで　第15巻　上流夫人や令嬢を脅迫して　第16巻　有名人がズラリとお客さん　第17巻　男優をペパーミントで強化　第18巻　上海からの密輸や女給もの　第19巻　アニメの名作『すゞみ舟』戦前篇　乱暴狼藉好みのこちら製　第20巻　憲兵が目をむく利敵作品も　第21巻　洋画には二十余人登場の大作　第22巻　小細工が多くてしつっこい　第23巻　その筋をダシにインチキ会　第24巻　ブルースター貸し出します　第25巻　アメリカの漫画の人気者を借りて戦後篇　巨匠、量産王、カラー、８ミリ　第26巻　戦後第一作に出た女の悲劇　第27巻　これが密造グループの内幕　第28巻　男優がフィルムを持ち逃げ　第29巻　青映画のクロサワの代表作　第30巻　マルチカメラやクレーンも　第31巻　ピストンシーンなしの珍作　第32巻　労務対策用や得意先接待に　第33巻　３５ミリ総天然色でトーキー！　第34巻　セーラー服が人妻をしのぐ　第35巻　ギャラ一本十万円のサオ師　第36巻　秘密ラボも持つ最大密造王　第37巻　地方選挙に用いる悪いヤツ　第38巻　出演者多数のスペクタクル資料篇　八十年間の題名一覧とミニ年表　第39巻　古今内外九百本のタイトル　第40巻　一九〇五─八四年の略年表閉幕（ルビ：あとがき）　下生え文化（ルビ：アンダーグロウス・カルチャー）の一端として記録

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[hata2]

意外と真面目な本だったような気がする。

2010/12/05

[わす]

カストリ雑誌では人妻をヒロインに置くことが多く、女学生が描かれることは少なかったと聞く。戦前のブルーフィルムでも似た傾向があったらしいが、1963年に野坂昭如が73本観た中では女学生が最も多かったそうな。『十代の性典』あたりの影響か？洋物が日本で密かに上映されたのは大正はじめ、国産が流れ出したのは昭和はじめ頃。合法作品だが75年ヨーロッパの盛り上がりが異常、全興行収入の4〜3分の1がポルノ。

2025/05/31