岩波文庫<br> 魔の山〈下〉 (改版)

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岩波文庫
魔の山〈下〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 690p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003243374
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

出版社内容情報

平凡無垢な青年ハンス・カストルプははからずもスイス高原のサナトリウムで療養生活を送ることとなった.日常世界から隔離され,病気と死が支配するこの「魔の山」で,カストルプはそれぞれの時代精神や思想を体現する特異な人物たちに出会い,精神的成長を遂げてゆく.『ファウスト』と並んでドイツが世界に贈った人生の書.

内容説明

理性を尊び自由と進歩を唱導するセテムブリーニ。テロと独裁によって神の国を実現させようとする非合理主義者ナフタ。2人に代表される思想の流れはカストルプの魂を奪おうと相争うが、ある日雪山で死に直面したカストルプは、生と死の対立を超えた愛とヒューマニズムの道を認識する。人間存在のあり方を追求した一大教養小説。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
魔の山は病と死とが間近にある世界だが、見方を変えれば、それはまた一種の特権的なアジールでもあっただろう。そこは、第一次大戦の最中にあった世間とは隔絶した世界だったからである。セテムブリーニとナフタの論戦も、いわば形而上の世界のそれである。もっとも、そこで戦われるのは遅れてきた自由主義と、血の絶対主義との論戦であった。マンの手法を弁証法ととらえるならば、ペーペルコルンこそがその止揚の先に位置するのだろうが、そのような図式というわけでもない。ハンスは解答あるいは確信を持たないままに魔の山を後にするのであり⇒2023/12/10

藤月はな(灯れ松明の火)

97
確固たる自我がなく、対局的な二人に翻弄されていたハンス君だったが、雪山で遭難しそうになった事で彼は夏目漱石同様に「あるがまま」を受け入れていく。でも今まで影響を受けていた二人に反発しちゃう辺り、まだまだ、青いね(笑)しかし、理性的でいつも偉そうなセテムプリーニもナチズムに傾きつつあるドイツの影響を受けて少し、変質していく描写が妙に切なかったです。そして最後の終わり方なんて『明日にむかって撃て!』や『おれたちに明日はない』みたいに避けられなかった破滅を予感させながら妙に清々しさが残る場面だな・・・。2017/05/09

NAO

53
時が止まった精神世界ともいえる山の上で、7年間にわたって思索し続けたカストルプ。だが、延々と続くかに思えた夢のような精神世界での彷徨も、超現実的な戦争の到来が告げられたとたん、事態は一変する。そして、「魔の山」という世俗を超越した場所が、実はヨーロッパの資本主義的経済形態に支えられ、それに依存していたのだということが明らかになる。第一次世界大戦の勃発によって古いヨーロッパの資本主義社会が崩れ去るとともに、「魔の山」も崩れ去るしかなかったとは、なんとも皮肉な話だ。2015/11/14

燃えつきた棒

38
セテムブリーニとナフタの論戦が所狭しと繰り広げられるが、肝心の登場人物たちの造形は、いささか記号的人物のように感じられて仕方がない。/ 第一に主人公ハンスだが、ショーシャ夫人に心惹かれるが、彼女がいったん山を降りると、手紙のやり取りで恋情をつのらせることもなく、たちどころに夫人を忘却の彼方へと打ち捨ててしまったように見える。 また、『八甲田山』ばりの死の行軍に足を踏み入れるも、肺に浸潤を抱えているにもかかわらず、生還後に深刻な病状悪化があった様子など微塵もない。/2024/05/15

イプシロン

30
解説や評論だと第六章「雪」がハイライトとあるが、そうは読めなかった。「雪」で語られるのは人文主義だろうが神秘主義だろうが、思想・哲学が組織・団体的なれば政治的に極端になり有害だ。ゆえに個人として自立しつつ中道であるべきだと気づくということであって、ここで提示される気づきはいまだ浅いのだ。もっともその気づきは自己の中に宇宙森羅万象の記憶が秘められている気づきでもあったから、死や絶望の直近に至ってようやくそれに気づけたことが語られているのは非常に鋭い真理ではあろう。そこで登場するのがペーペルコルンなのだろう。2018/06/17

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