内容説明
毒という名の香水、その匂いが漂うとき、男が死ぬ。小泉哲夫は、銀座のクラブ〃アビシニアン〃に社用で通ううち、新人ホステスのグレに魅かれていった。プワゾンを愛用していること以外、グレの素性は謎。ある夜、二人は山中湖にドライブに出かけたが、翌朝、多量の睡眠薬を服用した小泉の溺死体が発見された。グレの行方は……? 戦慄の傑作サスペンス小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
15
途中断念…。ダメでした。2015/10/23
元吉
1
★★★★☆1998/06/12
もりねこ
1
出版当時、香水と共にとても話題になったのを覚えています。本を見かける度に気にはなっていましたが、ようやく読みました。女性らしく美しい文章、情景・心情が目に浮かぶような比喩、どこか懐かしさを感じる内容、楽しめました。あとがきの通り、ミステリー小説であり、青春小説でもあると感じました。2015/07/10
キムチ
1
当に「私が思う」小池さんの絶頂期という頃の作品。女性のダークサイドを書かせると一流と感じてました。これも「プワゾン」という名に惹かれて手に取ったものだが、コケティッシュな女に潜む本性にざわっと来た。手当たりしだい読んだ頃から何故か耽美の世界に入って行って、「嫌気が」さして・・
cithara
1
1980年代はプワゾンの匂いをぷんぷんさせた女性がそこここにいたものだが、最近あの濃厚な香りをかぐことがない。プワゾンは今でも売っているのだろうか? たいていの日本女性は敬遠しそうな強烈なものだったが。二重人格という縁のないテーマを扱っているせいか、登場人物たちにいまいち共感できなかった。特に物語の終盤、庸子から蘭子に変わる瞬間は陳腐なドラマを見ているようだったけど、人格が切り替わる瞬間を見た人などほとんどいないのだから仕方ない。でもきっとそうなのだろうと納得してしまうのだから著者の筆力はすごいと思う。2011/08/16