内容説明
「パッとやれ、パッと派手に」それが口癖で、幽艶な牡丹のように散った友――。博奕打ち、相撲取り、くず屋、ヤクザなど、多くの愛すべき人々との交流を通して知る人生の不思議。生死さえも日常の些細な出来事によって変わってしまう人間の運命とは、小説より無法則で怪奇に出来ている。そう、博奕とは、人生そのものではないか?傑作エッセイ第二弾。
目次
真剣師
ジャパニーズ・チェス
くず屋さん
ショパンの調べ
頓死
悪ガキども
年賀状
マグロの肉
極道将棋
刀と拳銃〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
owawamure
2
素晴らしい短編小説。そういえばこういうのが小説と呼ぶべきものだったなあ、と思わせる最後の一節がことごとく素晴らしい。著者のあとがきも、この短編集全体の最後の一節、といった様相で、なおいっそうの味わいを与えている。人間に対する優しさを持ち続けた作家の集大成だと思う。2012/04/10
kaigamori
1
団鬼六の随筆集。 SMの人というイメージがあったが、この随筆はまったくそれを感じさせず、将棋がすごく好きな作家という感じ。とても読みやすい文章でしかも面白いので一気に読み終えた。ヤクザの親分と将棋で勝負する話や自分でも気づかずに死体の一部を足で踏んでいた顛末の話など、普通じゃない話がたくさんあって面白かった。どの話も常に死との近さを感じさせられた。 巻末に大好きな町田康の解説があって驚いた。2016/03/07
辻本 敏久
0
将棋のルールは知らないけれど、人生の分岐点に将棋がある鬼六先生。将棋に救われたり、将棋で裏切られたり、人生いろいろ。2017/06/27
坊。
0
少々出来すぎのような話もあるが、それが事実だとすればそれこそ団鬼六という人の人生なんだろうな。あとがきで、タイトルを「牛丼屋にて」にしたかったのに編集が「牡丹」なんていうのにしたのが気に入らないとか書いてたりして、何だか凄いあとがきです。2008/12/03
tkm66
0
いっときマイブームでした・著者のエッセイ。2000/05/30