内容説明
淀君こそ史上最高の美女。雑誌編集者の誠之助が大坂城趾で艶麗な姿態を夢想したとたん、石垣は崩れ、彼は慶長19年の城内にタイムスリップした! 洋服姿から切支丹と疑われるが、歴史知識を活用、神の予言者として信頼と人気を集める。そして、ついに憧れの淀君の寝所へ招かれた! だが、彼も歴史を変えることはできなかった……。SF的発想と確かな史眼で、落城の悲劇を軽妙に描く異色の快作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
c
2
書影が何の関係もない本の表紙。古い本だとアマゾンではたまにこういう現象が起きる。それは兎も角、以前「彦左衛門外記」を読んだときも昭和の大衆小説家の凄味に感心させられたが、この作品もなかなかだった。良いか悪いかで言えば、優れた小説ではないだろう。現代(と言っても50年代末だが)の若者が戦国時代末期にタイムスリップして、やっていることは殆どセックスだけ。SFや時代小説である以前にアホなセックスファンタジーでしかない。東大を出て一流企業に勤めた後大学教授となるエスタブリッシュメントが、こんな小説を書いている。2019/02/11
韓信
1
自衛隊が川中島へ、名医が幕末へ、料理人が信長のもとへ行く前に、淀君マニアの青年が冬の陣目前の大阪城へタイムスリップしていた!はたして淀君を落城の運命から救えるのか!?というタイムスリップ歴史小説。とにかく主人公がぶっとんでいて、お見合いでは「好みのタイプは淀君」と相手をドン引きさせ、いざタイムスリップしてからはザビエルの孫の切支丹を称したり、大阪城内の女中を食い散らかす手癖の悪さ、あげくは千姫をホルモン不足と切り捨て、淀君のヌード撮影、下着くんかくんか等々、歴史の改変より目の前の快楽に流される堕落っぷり。2013/05/19
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
1
☆×4.0…淀君大好き人間がタイムスリップしてしまった!?と言う実にユニークなSF。だけれどもこやつ、只者ではなくて夜の営みはまさに千人力(笑)営み部門ではいらないから体力部門で私にそのエネルギーを分けてほしいものです(爆)。彼の淀君熱は相当です。それは彼女と寝所をともにしたときの描写からもよく伺えます。だけれども結末はやっぱり…なんですよね。望む形式にはならないとは思ったもののそう扱われるかと。2012/04/02
Ryuji
0
★★★★★