内容説明
通訳やテレビクルーたち6人もの犠牲者を出しながらも大生部はキジーツになっていた娘を取り戻した。バキリは取り戻しに、ひそかに東京に潜入しているという。番組関係者に次々と奇怪な事件が起こり、死者まで出る。元テレビプロデューサーの馬飼は、大生部一家とバキリが対決する生番組を企画する。光と影が交差し、呪いと祈りが入り混じり、テレビ局の迷路のような廊下で激しい戦いが繰り広げられる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
209
最終巻!超絶エンターテイメント!子供ながらに70年代の超能力ブームにワクワクした自分としては、懐かしさもあいまって大満足!やはり、中島らも氏はただの酔っ払いではないよなぁ。ホラーな演出なんかも、スパスパと分かりやすく豪快で、最近の小難しいホラーよりも個人的にはこの時代の「ちょっとそれ!」とツッコミ入れたくなるような演出の方が好きだったりします(コメントへつづく→)。2017/10/05
ehirano1
196
読後感は良かったです。プロローグもここに来てきちんと回収されました。主人公の大生部教授、本書では「オオウベ」と読まれていましたが、当方は終始「ダイジョウブ」と呼んでいました。なんかその方がキャラクターを反映しているようで・・・・・。2017/07/09
ALATA
120
命からがら東京に帰った大生部教授の周辺に奇怪な現象が巻き起こる。呪術的な災いがこれでもかと襲い掛かるところは背筋が凍る思いで読み応えがありましたな。これま での黒い連鎖が回収される展開はとてもスピーディーで、らもさんの想像力に圧倒された。ただ、多くの魅力的な登場人物の退場がちょっと残念でした。★5※茹でた小松菜を流水にくぐらせる。「滝に打たれて修行なさい」逸美さんはカッコイイ。「歴史は武力と同様、奇跡とパフォーマンスによって動かされている」日本推理作家協会賞は納得です。2024/09/29
藤月はな(灯れ松明の火)
114
断酒を決意した大生部の周辺に降りかかる残虐な殺人。これはバキリの呪いなのか?負のプラシーボ効果でトラウマを形成されて殺されたルイさん、清川さん、隆心老師も結構、好きだったのでこの展開は辛すぎるよ・・・。そして大衆の娯楽のために過激化するメディアとその闇を使った大虐殺の悍ましさに血の気が引きます。しかし、緊迫する中での武装ムーミンと中筋さんが何故、平刑事のままなのかには思わず、笑っちゃいました。そして真逆の『○○○○○』展開に吃驚。そういや、これも家族のために頑張るパパの物語だもんね。いや~、楽しかった^^2017/08/18
ヒロ
97
最後まで驚きと恐怖が入り混じったような感じで読ませてもらいました。バキリの恐ろしさはとにかく際立っていて、呪いというのがどれほどの影響があるのか、めちゃくちゃ思い知らされたというか。これまで読んだ全ての小説の中でもトップクラスの恐怖感を与えられました。そんな中で最後には大生部にも驚きの展開が待っていて面白かったし、後はやっぱり逸美の母としての強さと度胸がめちゃくちゃあるのが印象に残りました。パート1から3まで通じてホントに一級のエンタメを楽しめたと思います。2024/11/16