内容説明
アフリカの呪術医研究の第一人者、大生部多一郎は、テレビの人気タレント教授。超能力ブームで彼の著者「呪術パワーで殺す!」はベストセラーになった。しかし、妻の逸美は8年前の娘・志織のアフリカでの気球事故での死以来、神経を病んでいた。そして奇跡が売り物の新興宗教にのめりこんでしまった。逸美の奪還をすべく、大生部は奇術師ミラクルと組んで動き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
223
これひょっとしてアル中教授の娘が実は・・・とかいう転換になっていくのでしょうか? なんかそんな気配が感じられますが・・・・・しかしそうするとあのプロローグは一体何を示唆するものなのでしょうか?心玉導師の事だけではないと思うのですが・・・・・次巻を読み進めます。 2017/07/09
nuit@積読消化中
204
3巻分冊による1巻目。超能力、奇術、新興宗教、ヤクザとネタ満載な上に、民俗学者でアル中の主人公、神経を病んで新興宗教にハマるその妻、超能力のトリックを暴きまくる奇術師、無茶苦茶強いTVプロデューサー、エロい精神科女医など登場する人物たちも個性があって面白い。コミカルな昭和なノリがまた素晴らしい。ずっと積読しててごめんなさい。もっと早く読んでいれば(苦笑)!このまま2巻目でアフリカへ旅立ちます!2017/10/01
ALATA
120
お薦め本。襖を開けると心玉尊師が空中に浮かんでいた。呪術研究家の大生部教授が遭遇する不思議な現象の数々。娘を亡くした逸美に忍び寄る新興宗教の黒い罠、自我を破壊する洗脳のテクニックに驚嘆するばかり。そして、ミラクルによる超能力あばき、種明かしは映画「TRICK」のようで面白く爽快でした。★5※スプーンまげはパフォーマンス。ユリ・ゲラーもフーディー真っ青だ。女の子の興味を惹きつける道具って、・・・※※ガダラの豚はマタイの福音書の一説らしい・・・「くみなたと」とは、次巻へ2024/09/22
藤月はな(灯れ松明の火)
110
子供の頃は余りの分厚さに怯んで読めなかった本。読んでみたらプッと笑えて面白いじゃないの!最初にコテコテ関西弁な隆心老師に笑い、真面目で融通が効かなすぎる恵心さんに苦笑していたら、中々、直感的にも「これは不穏や・・・」としか思えない空気に。しかし、TV番組局の人選やゴリ押しオファーなどのえげつない内幕を暴露しすぎ!アル中の大生部の頼り無さに「大丈夫かないな、この人・・・」と思わずにいられない。修君がええ子や・・・。似非超能力者暴き、ミラクル氏の手品のトリックと同時に「賢い人ほど、騙される」発言は中々、意味深2017/08/08
oser(読書家ではありませんドクシャーです)
85
名作との事で …BOOKOFFに3巻揃いの状態で百円コーナーに鎮座されていたものをサルベージ(掘り出し物があるからBOOKOFF通いはやめられませぬ) …なるほどぅ超能力・宗教・学者という三竦みは鉄板。(みんながTRICK trick…と連呼しているのも納得) らもさんの文章はほのかに温かく、また要所要所に点在する小粋なジョークがクスッと。楽しいテンポ感。 …魅力的な設定に、らもさんの緩急がついていてキャッチーなプロット。面白くない訳が無いですやん。 …次巻は日本を出、グローバルに。さー2巻にまいろう。2023/10/28