角川ホラー文庫<br> 自選恐怖小説集 跫音

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角川ホラー文庫
自選恐怖小説集 跫音

  • 著者名:山田風太郎
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2014/06発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041356449

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内容説明

推理・活劇・官能そして、恐怖……。現代エンターテインメント小説に多大な影響を与えた著者の自選恐怖小説集。運命共同体に身を委ねた人間の心理を描く『三十人の三時間』をはじめ、愛する男性の不可解な行動に秘められた驚愕の真実を綴った『呪恋の女』他、人間の深層に潜む怪奇への憧憬を見事に結実させた秀作10編。文庫未収録作品を中心に、単行本未収録作品をも収めたファン必読の一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hanchyan@ふむ……いちりある

41
角川ホラー文庫の黎明期に出た1冊。山風にハズレ無し。ワンパターンながら(笑)やはりそう言わざるを得ない。ホラーてよりかは「変格ミステリ」だ。しかも、各々が戦中戦後の代表的な「本格ミステリ」の秀逸なパロディに凝らされてるような気がするのは自分だけではないと思うぞ。あと、著者はとことん「反戦文学」のひとなんだなあと感じ、そう考えると、著名な忍法帳ものすらも「戦」のばかばかしさがテーマとして根底にあるような気がしてくる。「逗子家の悪霊・眼中の悪魔」からの再読以外では、「女死刑囚」が印象深い。とても面白かった。2017/10/27

*maru*

22
短編集(全10話)。生々しさ、おぞましさ、滑稽。狂気、猟奇、愛憎。横溝正史や江戸川乱歩の作品と同様の恐怖体験が得られる一冊。人の内面で蠢く歪んだ感情。その心理描写が素晴らしい。でも重い。短編集ながらどれも強烈なインパクトを残すものばかりだか『女死刑囚』『最後の晩餐』はエグい。『双頭の人』『黒檜姉妹』もなかなか。なので『さようなら』の美しさがより映える。『雪女』が一番のお気に入り。陰鬱な世界観に胸焼け気味だがこういった空気を纏う作品嫌いじゃない。いや、むしろ好き。2016/12/02

瑞佳

22
初・山田作品。やー。重たかったす。一話読むごとにずしんと心に負荷がかかって、なかなか読み進められずにいました。エロティックでグロテスクで幻想的で奇ッ怪な、愛と憎悪と恐怖の物語。このねちゃねちゃとする気持ち悪さは丸尾末広さんの作品を読んだ時とちょっとリンクする感じかも。個人的に圧巻だったのは『女死刑囚』。この無惨で吐き気がするほどの救いのなさはちょっとトラウマになりそう。『最後の晩餐』も印象深い。結末は読めるけれど、濃厚で甘美であくまでも悪趣味な狂気の世界は風刺や皮肉もたっぷりつまってブラックな仕上がり。2016/11/26

タツ フカガワ

10
短編10話を収録。忍法帖をはじめとする時代小説や明治物、ミステリーなど読んできましたが、こんな怖い小説も書いていたんですね。冒頭「三十人の三時間」は、乗った飛行機が通信機器の不具合からあと三時間で墜落するというパニック下での乗客の露わになる本音が生々しい。発作的に人を殺した男が、毎日の新聞報道で自分に捜査の手が迫るのを知る「跫音」など、今回も山風先生の創造力に平伏。作家菊地秀行氏の解説も素晴らしかった。2018/09/20

Ai

9
きちんと読むのは初めての山田風太郎小説。解説が菊池秀行氏。解説にある通り、山田作品の真骨頂はそのグロテスクさ。戦前戦後の時代を感じさせる舞台上で、ギラギラしている。多重人格/人間の二面性や破滅的な恋をテーマにした作品が多いように感じた。2021/07/29

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