内容説明
孤児たちと特攻帰り、美しい戦争未亡人“お母さん”とその娘…総勢十一人は、やっとのことで上野の地下道から銀座の焼けビル暮らしに移った。だが、戦後の混乱期にあって命がけで生きのびるためには、あらゆることをしなければならなかった。そんな彼らを狙い、歴史の裏面でうごめく闇の力が密かに動きはじめた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
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再読2013/08/15
uburoi
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3月10日に親をなくした戦争孤児たちと未亡人の出会い、それに特攻隊の生き残りが加わって戦後を力強く生き抜く大河小説の中巻。バアチャンが印刷用紙割当許可証をもって還ってくる。「印刷用紙が手に入ればえらい儲けになる」時代だ。『トト姉ちゃん』の雑誌が売れるのも最もなのだ。戦後の日本の動きに軌道を合わせながら吉野商会は大きくなっていく。見据えるものは国家のようだ。元商社の経理だった田中の言葉によると「日本は無産国家であり、租税国家」なのだ。「会社の経理というものは国家というものとつながっているんですよ」2016/07/28
tenorsox
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下巻に続く(感想は下巻で)2024/03/10