内容説明
なぜか、東京大空襲のあとはよく晴れた日が続いた。終戦…その日もまた、青空だった。焦土と化したなか、戦争で両親を失った孤児たち8人の逆境に挑む人生がはじまった。けなげに、しかも逞しく生きぬく彼らを通して、疾風怒濤の「昭和」時代を描く。著者の記念すべき作品として、話題をよんだ感動の大河ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
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再読したものの、途方に暮れる。これほどの小説に感想をどう書けばよいのだろう。東京大空襲で焼け野原となった東京が舞台(表紙参照)主人公は上野駅地下道をねぐらとする8人の戦災孤児。こう書くといかにも暗そうなイメージだが、むしろたくましさとしたたかさに満ちて明るい。13〜4歳の8名にはもちろん名前があるが『級長』『飴屋』『バアちゃん』『饅頭』『ニコ』『ゲソ』『アカチン』『ルスバン』のあだ名の方が活力十分。この8名に『唐草のお母さん』吉野・その娘『ボーヤ』特攻帰りの『カミカゼ英治』が加わり戦後闇市で→コメントへ2010/08/16
uburoi
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上巻は昭和20年の暮れまで。p444「この年末までに外地から帰還した人数は約40万人。なお海外に残されている者350万人。そして毎日平均5千名が日本の土を踏んで故郷に戻っている。そのため失業者の総数は約340万人。」この作品、半村は史実と現実のデータを散りばめている。p8「1942年(昭和17年)4月18日土曜日の昼すぎ、東京は米軍機による最初の空襲を受けた。」p9「1944年(昭和19年)11月24日、サイパン島から111機のB29が東京へ発進し、主目標である三鷹の中島飛行機工場を徹底的に叩いた。」2014/10/29
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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再読2013/08/15
tenorsox
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中巻に続く(感想は下巻)2024/03/04