内容説明
千石取りの旗本の子息で、俳諧好きの高瀬直九郎は、おりおり気楽な吟行の旅に出る。が、それは表向き、実は大目付高木伊勢守の密命により、諸般の内情を探るのが彼の任務だ。 家来の友平、十吉少年、それに筆丸(伝書鳩)、給(愛犬)の一行が、悪人どもをむこうにまわして、丁々発止と火花をちらす。 複雑怪奇な陰謀を暴くニューヒーロー颯爽と登場!
目次
夏桜―主なき馬に名残りの夏桜
春の別れ―便りにて知りたる春の別れ哉
わらべ唄―夏行や耐えて朝のわらべ歌
恋蛍―伝へてし伊那の蛍の薄明かり
御家老乱心―奥飛騨の凩にきく真実かな
てんもうかいかい―行春や枯山水の石の青
南蛮飛礫―唐船の澪の白さにいわし雲