内容説明
GHQに厳しい選択を迫られる日本興業銀行首脳部、そして思わぬ“昭電疑獄”にまきこまれ、芦田内閣の倒閣という激動の政治の嵐の中で、英知を集めて再建整備への道をすすむ。営業再開への長く苦しい3年余の交渉を描く。復興の飛躍台に向かう日本経済。戦後産業通史いよいよ佳境に。大河経済小説第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nekozuki
19
2/5巻 主に戦後GHQによる閉鎖の脅威に晒されながらも産業振興という使命に生きた興銀マンの姿を描く。総裁から大蔵大臣に転じた栗栖の贈収賄事件などを乗り越えて、再建計画認可にこぎつける。長期金融における興銀の必要性は現代金融では見られなくなった光景であり新鮮な世界。2017/07/24
まつうら
18
第二巻で印象深いのは、昭和電工事件と呼ばれる贈収賄事件。元興銀総裁だった栗栖赳夫の逮捕をきっかけに、当時副総裁だった二宮善基に疑惑がかかり、興銀はまたGHQに睨まれるのか? とヒヤヒヤさせられた。 この事件では、現金のほかに、自宅の修理費とか洋服とか掛軸とかが贈られている。当時は戦後インフレで日々物価が高騰している時期なので、カネではなくモノが贈られていることに、収賄側の意向が含まれていると考えてしまうのは、穿ちすぎだろうか?
minu tanu
2
自分たちの職場を守るというサムライ達の闘い。梁山泊を彷彿させる多才な人材達が魅力的。2024/12/24
ひろし
2
様々な思惑に翻弄されてなかなか前に進まないけれど、それでも粘り強く打ち込む姿勢がすごい。仕事に生半可じゃない使命を感じているからなんだなぁ。今度銀行に勤めてる友人に会ったら話を聞いてみよう。2017/01/25
kappa
1
そっぺいさんの粘り強い方々が日本の銀行を支えたことがわかります。2009/08/24