内容説明
様々な素材と趣向とテクニック。著者の才華がほとばしる短編の数々。――柳生流は無刀を兵法の極意とする治国の剣。しかし宗家但馬守は、大目付の職権をもって諸大名を糾弾し、彼らの怨嗟を一身に浴びていた。剣聖の公私にわたる波瀾の心中を描く表題作「柳生月影抄」のほか「下頭橋由来」「脚」「べんがら炬燵」「大谷刑部」「鬼」「春の雁」「旗岡巡査」「茶漬三略」の8編を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どらんかー
2
どの作品も素敵、中でも鬼、旗岡巡査が物悲しくも美しい。2024/11/06
綾
2
青空文庫の「鬼」という短編のみ読了。「わしは君侯と領民のあいだに在って、自分のする事の為にしているだけだ。津軽家の為とも考えていない。百姓達の為ともべつに考えていない。――しかしわし自身の為にでない事だけは天地に云い得るのだ」かっこいいです。何かを為すにはこれくらい本気でやらなければならない、と思わせられました。2017/01/01
あっき
2
吉川さんの短編を読むのは初でしたが、さすが。面白い。柳生月影抄、鬼、旗岡巡査、茶漬三略が特に好き。宗矩と十兵衛がかっこいい!大谷刑部はよくあるテンプレぽい大谷でしたが、吉川さんの文で関ヶ原のお話が読めて嬉しかったです。関ヶ原に隆景がいてちょっと笑った。新書太閤記も面白そうだなぁ。2016/07/19
やすすけ
1
短編にして、柳生の来し方行く末をきれいに描いた作品。柳生が徳川の剣となったが故の苦難の一面をさらりとした筆致で書いた。2016/02/17
xavi
1
再読2015/12/29