親鸞(二)

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親鸞(二)

  • 著者名:吉川英治【著】
  • 価格 ¥918(本体¥835)
  • 講談社(2015/03発売)
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  • ISBN:9784061965126

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内容説明

大盗天城四郎の魔手から玉日姫を救い出したのは、範宴である。その日から範宴はもの想う人となった。甘ずっぱい春の香りは、払えども払えども、範宴を包む。禁断の珠を抱いて、範宴はみずからおののく。京の夜を煩悩に迷い狂う範宴! 追い討つように、山伏弁円は彼に戦いを挑む。信仰の迷いに疲れた範宴は、このとき法然を知る。奇しき法然との出会い。親鸞の大転機であった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kiyoshi Utsugi

35
吉川英治の「親鸞(二)」を読了しました。 親鸞の最初の師である天台座主を務めた慈円の兄(摂政関白の九条兼実)の末娘 玉日姫との恋、吉水の法然のところに入門して綽空の名を法然より与えられ、更には玉日姫と結婚して、それを機に善信と名を変える。 勢力を増した法然に延暦寺、栂尾の明慧上人、奈良の興福寺からも攻撃を受けるようになるところまでを描いています。 特に玉日姫との恋から結婚に至るまでは人間 親鸞を見たように思った。2023/02/19

アポトキシン

13
第2巻は当時はご法度だった僧侶の結婚など、スキャンダラスな内容もあった。また、範宴→綽空→善信と名が変わり、少し大変だった(ここでは善信に統一する)。善信は猛烈に修行に勤しんでいたが、玉日姫という女性に一目惚れしてしまう。その後、ジェラシーを感じた他の修行僧に噂を立てられ叡山での立場が危うくなる。そんな中、易行道(念仏を唱える)に重きを置く法然に出会い帰依する。叡山を裏切った形になったため、その後も叡山は付きまとってくるが、やはり暴走したジェラシーは恐ろしい。2018/08/14

AICHAN

12
法然に出逢って親鸞は女犯の戒を捨てて妻帯する。私は破戒僧を「生臭坊主め」という目で見ていたが、考えてみれば今の仏教僧のほとんどは妻帯している。タクシー運転手をしていたころは、ソープランドから出てきた若い坊さんたちを何人も寺に送った。女犯の戒は不自然なのかもしれない。女犯の戒を犯していない僧も稚児僧などを相手に性欲を発散している。そんなだったら、いっそのこと仏教の戒律など無視すべきなのではないか。そのほうが自然で、僧も世俗に通じることができ、民衆の耳に届く説教をすることができるのではないか。2014/10/16

みのくま

8
本書におけるキーワードは「性愛」と「他力」。親鸞はある女性に恋に落ち、禁忌を破り妻帯する。世間からは罵詈雑言を浴びせられ全く理解されない。また彼は、自力難行を是とする旧教から他力易行を旨とする浄土宗へ転向する。さて、どちらも当時の世相からしたら異端中の異端であり、到底認められるものではない。しかし親鸞は多くの非難の中を突き進む。なぜか。全ては民草を救うためである。厳しい禁欲も高尚な知識も必要ない。日々生活の中で念仏を唱えれば救われる事をその身で体現する為に。だが逆説的にこの信念が親鸞を難行に歩ませるのだ。2019/03/31

nbhd

8
ウムムと思わせる面白さが続く。ミヤコで「御門跡(ヤング親鸞)のあの立派さは、どうしても、童貞美というものだろうな」と囁かれてきた親鸞さんがついに結婚、そして越後配流…ひじょうにスキャンダラスな巻だ。妻帯問題の重大さを考えると、親鸞さんは今なら「文春の標的」にもなりうる人物だったはずで、巷間に絶えないゴシップを巧妙に再現する作家の想像力にもじゅうぶん納得がいった。あとキニナルのは延暦寺のゲバルト僧たちの存在。私設警察隊にも暴力団にも思えてくる「お寺の暴力」の源泉っていったいナニ?夏休みに延暦寺訪問計画が浮上2016/05/26

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