内容説明
戦後最大の詐欺集団、横田商事。その崩壊を目撃した隠岐隆は同じく元社員の因幡充に勧誘され、嫌々ながら再び悪事に手を染める。次第に才能を開花させる隠岐。さらには二人の成功を嗅ぎつけ、経済ヤクザの蒲生までもが加わってきた。口舌で大金を奪い取ることに憑かれた男たち。原野商法から海外ファンドにまで沸騰してゆく遊戯の果てに見えるのは光明か地獄か。山田風太郎賞受賞の犯罪巨編。(解説・酒井貞蔵)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
314
以前から気になっていた一冊。分量を感じさせない熱量の詰まった作品で、とても面白く読めた。実際の事件を下敷きに、描くところはじっくり、それ以外の枝葉の部分はかなりざっくり簡略化。たとえば、隠岐がここまで因幡に見込まれた理由にイマイチ説得力がなかったり、何かあるたびに旧横田商事から簡単に人員補充がきく都合の良さであったり、リアリティの欠如になりかねないポイントも、旨味のある場面の書き込みをしっかり行うことにより、上手な取捨選択が出来ているように見せる。ピカレスクロマンとも読み味の違う、サラリーマン的犯罪小説。2022/04/13
sin
65
昭和の終わり、報道番組の画面は衝撃の事件を伝えた!詐欺商法で追及を受けた豊田商事会長の刺殺実況である。この物語はその事件に倣って始まり、やがて経済犯罪を繰り返していく営業マンの汚れたビジネスを物語として展開していく、しかし詐欺は架空のモノを取引するから犯罪だが、現実の社会でも紙一重で一歩間違えば犯罪行為すれすれの金儲けはこの世界には往々にして存在すると思う、資本主義の矛盾を感じて止まない。経済とは権力と欲望と云うマントルに支えられた幻影かも知れない、それはいつの日かマネークエイクとして社会を揺さぶるのだ!2022/05/25
dr2006
60
欺瞞に満ちたストーリーが読者の疑心暗鬼と人間不信を醸成し良心を侵食する。自分が騙されていると自己検証できるなら良いが、大抵は騙されていることに気付かない。詐欺と信頼は表裏一体だ。多くの詐欺の手口が登場するが、騙す側の心理描写が読み所だ。戦後最大の詐欺事件を起こした横田商事が崩壊した。主人公の隠岐は一旦、普通の会社に再就職したが働き甲斐を失っていた。そんな時、横田商事で同僚だった因幡が「隠岐とビジネスがしたい」と声をかけてきた。二人のビジネスとは詐欺である。二人の成功(金)に群がる人々の動静も読み所。圧巻!2026/02/07
PEN-F
50
詐欺で騙し取ったお金も、必死こいて働いて得たお金も、貨幣としての価値は同じ。同じ一万円で購入できるものだって同じだけど、そこは何かが決定的に違うと思う。たしかに仕事は楽しいときよりしんどいときの方が遥かに多いし、朝は早いし夜は遅いし体はガタガタだし、俺の辞書には商売繁盛なんて文字は無いし...。それでも一応、お天道様には顔向けできるし、...ってか別にお天道様はどーでもいいけど、自分の子供に顔向けできるってのが一番大事だと思う。2023/03/28
優希
48
山田風太郎賞受賞作。悪事に手を染め、次第に詐欺の才能を開花させる恐ろしさ。経済ヤクザも生まれ、大金を奪い取ることに疲れるのが恐ろしい。大金をめぐる遊戯の果てに見えるものは何かハラハラしながら読みました。2023/12/26
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