内容説明
不況で会社をくびになった瀬川は、かつての恋人からセールスマンの仕事を紹介された。ところが、営業成績が思うにまかせぬある日、化学会社を産業スパイせよと命じられる。なんとか潜入に成功したが、自分を手引きした男が絞殺されて容疑は瀬川に……。 資本主義社会の水面下の暗闘に、霧島三郎の鋭いメスが入る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
214
★★★☆☆ 霧島三郎シリーズ二作目。 前作では刑事か検事かよく分からなかった三郎だが、本作では警察組織をうまくリードして事件の真相に迫っていく人間になっており、好感が持てた。 内容は本作もかなりオーソドックス。瀬川繁夫が利用されている事は明らかなので、犯人は容易に想像できる人物だった。とはいえ中盤までは動機が分からず、複数いる犯人候補の中の本命という位置付けだったが、俊子が怪しい行動を取った時点で誰もが真相にたどり着けただろう。 瀬川は情けない小人物だったが、さすがに最後には同情も湧いた。2021/01/26
山田太郎
7
面白いといえば面白いんだけど、犯人にされかかった人があんまり頭よくない気がするというかちゃんと疑えよあやしいやつがいるだろと言いたくなりました。2011/03/07
ボブ
2
再読、あれよあれよ展開が進んで読みやすい、40冊以上読んだ高木作品中でも最上位に近く好きな作品、昭和46年に高木作品として初めて英訳されたことからもいい作品の評価なのでしょう。 2018/03/04