ちくま文庫<br> ピクウィック・クラブ(中)

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ちくま文庫
ピクウィック・クラブ(中)

  • ISBN:9784480023841

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内容説明

ピクウィック氏の旅は続き、裁判をはじめいろいろなごたごたに巻き込まれる。途中から仲間に加わったのが忠実な馬丁のサム・ウェラー。陽気な生粋のロンドンっ子できちんと世間の常識をわきまえ、ピクウィック氏を引き立てる名脇役だ。こんなお供の活躍を読むと『ドン・キホーテ』が思い出される。ドストエフスキーも「滑稽であるがために善良な人間」のタイプとして、ドン・キホーテとこの小説の主人公ピクウィックをあげている。物語はどこまでももつれながら広がってゆく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

87
ピクウィック氏と3人の仲間の旅だったのが、従者のサム・ウェラーが加わってからは、ピクウィックとウェラーの物語になってきてる。引退した紳士で純粋無垢なピクウィック氏と、無鉄砲で勢いのある若者は、いいコンビだ。どちらがどちらをよりハラハラさせているのかというぐらいな破天荒な旅。根底にあるのは、彼らの純朴さと善意、そして女性への純情。解説によると、ドストエフスキーはこの本の大変なファンだったらしい。確かに、善意が底に流れる壮大な物語だ。2015/06/25

扉のこちら側

69
2016年95冊め。【120-2/G1000】下宿先の女主人「バーデル夫人」にプロポーズしたと勘違いされ、婚約不履行で訴えられ罰金刑に処されるピクウィック氏。さらに支払いを拒んで監獄入りしてしまう。結局、困っている友人を助けるために賠償金を支払い監獄を出ることになったものの、 氏の善良さがよく表れている中巻。スケートして氷が割れてしまうとかお茶目エピソードもおもしろい。2016/02/14

のっち♬

60
愉快な仲間たちと旅を続けるピクウィック氏だが、下宿の貸主の夫人に対する態度をプロポーズと誤解され、ついには婚約不履行で告訴される。ここでは悪徳弁護士や常識のない裁判官を登場させて裁判制度を風刺しており、詭弁と法定技術で事実が歪曲され敗訴に持ち込まれるくだりは全編のハイライト。作中に挿入された短編小説ではミステリーやロマン、ホラーなど幅広く扱い、随所でみせる人間心理の闇に対する深い洞察が圧巻。肥満体の少年ジョーの描写においては睡眠時無呼吸症候群を予見してみせるなど、本作は至る所で早熟で多彩な才能が窺われる。2018/02/10

syota

29
中巻では、裁判や教会がらみの寄付金集めなど、社会批判の色彩が次第に混じってきた。上巻の明るく罪のない笑いから、社会の不正義や偽善に対する反感を笑いのオブラートに包んで差し出す作風へと、変化してきている。召使のサムが主役級の活躍を見せ、市井の人々の描写が増えてきたことも上巻との違い。深みが増し、読んでいて飽きがこなくなったが、一方で“能天気な珍道中”という軽みと陽気さが薄れてきたことも事実。このへんのさじ加減が、ユーモア小説の難しいところなのだろう。2016/07/22

秋良

8
【G1000】相変わらずフラグを立てまくるピクウィック氏。よく分からないうちに裁判に負けている(笑)。優しくかつツッコミの鋭いサムが出てくるとテンポ良く読める。2018/07/01

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