内容説明
明治43年夏の伊豆修善寺における大患は、漱石にとって一つの思想的転機を意味した。「思い出す事など」は、生死の境をうつつに彷徨したその病中の心境を静かな澄明な筆致で綴ったもの。硝子戸の中に静座して眺めた人生への感懐と過ぎ去った日々への追憶を語る「硝子戸の中」は、その後の心境的発展をうかがわしめるものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
3
漱石中期から後期の随筆。「思い出す事など」は胃潰瘍で死にかけた時の話。療養に訪れていた伊豆修善寺でドバっと血を吐き危篤状態に陥る。3度吐血してこりゃヤベえって所からなんとか回復に転じるが、そんな状況を淡々と書いている。非人情ってのは死にかけの自分にも適用されるんだなあ。そしてその経験があっての晩年の表題作。身の回りに起きた何気ない出来事をひとつづつ片付けていくかのように綴っている。好きなのは飼ってる黒猫がごま油の鍋に飛び込んだ話。「コスメチックでも塗りつけたように光りはじめた」という表現でクスッとなった。2021/04/18
ノボ
1
「明治43年夏の伊豆修善寺における大患は、漱石にとって一つの思想的転機を意味した。「思い出す事など」は、生死の境をうつつに彷徨したその病中の心境を静かな澄明な筆致で綴ったもの。硝子戸の中に静座して眺めた人生への感懐と過ぎ去った日日への追憶を語る「硝子戸の中」は、その後の心境的発展をうかがわしめるものである。」(カバー折り返し)2014/09/24
mino
0
自蔵書。
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