内容説明
旧幕時代、南町奉行所同心であった加田三七は明治四年、湯島で蕎麦屋を始めた。だが、蕎麦屋の旦那で収まる三七ではない。界隈で事件が起これば、警察に頼まれもしないのに、かつての輩下・幸助を従え探索に飛び出す始末。そんな三七のもとに、土蔵の白壁に幽霊が出て母の様子が変だと、遊郭の息子が妙な話を持ち込んだ(「幻の像」)。文明開化の世を舞台に私設探題を自任する加田三七・捕物そば屋事件簿十八篇。
目次
馬鹿な女
地獄人形
幻の像
子盗り湯騒動
艶説鴨南蛮
岡蒸気の女
餅菓子心中
むかしの夢
小唄念仏
1本足の鐘つき男
写し絵の女
からくり行燈
萩の夜の秘密
夢の淡雪
毒の花束
軽気球の殺人
不忍池新景
赤い湯煙り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘブンリー
5
時代小説と言うと江戸時代だと思ってしまうけど、これは明治時代に入ってからの物語。こんな時代があったことはわかっていたけど、これを読んで現実感がわいた。面白かった。2018/06/28
山内正
3
加太三七は上役の不正であと八日で甲州勤めになる 自身番で女の死体死体が酒蔵で見付かったと 小料理屋の女たと分かる。 直に酒問屋の男が死体で見つかり 与力からあと七日の間に目途を付けろと押し付ける 三人目の男は首の急所を一突き 伏見屋の絡みで人が三人死んだ かかりつけ医の桂川三伯に事情を話すと 全て腑分けの為だと淡々と話す三伯に罪の意識がない 出立つ前奉行へ 下手人相知れす申し訳なく存じ候 と報告した。2019/05/17
みょん
2
★★★ 幕末から明治への時代の流れも面白い、捕物人情?話。似たような流れが多いので、読み進むうち多少飽きがくるのは否めない。しかし何故途中で奥さんをアッサリと病死させたのか…。結構キャラが立ってた奥さんの、女目線がヒントになる謎解きがあっても良かったのでは。シリーズ物のようだが、同じ時代の名作「お宿かわせみ」と比べてはいけないw。2011/03/24
cogeleau
0
背景は明治初期、東京の湯島天神下でそば屋翁庵を営む加田三七は元々は八丁堀同心だった。配下の岡っ引だった幸助もそば職人として働くが、何か事件が起きると二人で首を突っ込むのが心の張りでもあった。士族の商売ながらうまく続くが、時を追うごとに妻の急死、息子の結婚、孫娘の誕生など彼の後半生の変転を、安定した語り口で描く点では味わいが深かった。また本職の警察とは一線を画して、一私人としての事件の解決法にも人情がこもっていた。「そばや」の人気からか、維新前の同心として活躍する「十手篇」のシリーズも平行して書かれている。2023/10/28
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