内容説明
東京・新宿にある損保界名門の世紀火災海上保険は、大揺れに揺れていた。経済誌「中央経済」に、1年も前の大蔵省監査に絡んで、社内の恥部がデカデカと掲載されたのだ。「こんな記事を書かせていいのか」「なんのための広報課だ」――上層部からの理不尽な圧力に、広報課長木戸徹太郎の悩みは深まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
102
損害保険会社を舞台とした広報課長の苦闘を描いた作品。社長人事に絡む上層部の醜い権力抗争。スクープを狙う記者達の争い。二転三転する情報。 記者クラブとの対峙する木戸の姿に感動。2016/04/10
牧神の午後
9
いるいる、こういう上司。手柄は自分のもの、謝るのは部下の役目なムカツクの。と読んでてストレスフルだったりしつつ、新任広報課長となった主人公がある意味対立してもおかしくない新聞記者や他社の先輩広報との信頼が眩しい。高杉さんの作品らしく時代背景から煙草を当たり前にすってて、あまつさえ上司の煙草に火をつけたり、あるいは女性社員の位置づけがアレだったり、現在ならありえない大手企業での経営者の公私混同っぷりだったりはあれど、儲けるため・実績を上げた人なら何をしても許されるのか? と普遍的なテーマが重い。2015/02/22
たろう
6
損保業界の広報室に異動となったバツイチ子持ちの木戸課長の苦悩。 超ワンマンの会長、会長の親族で早く社長になりたい副社長、副社長にべったりで、手柄は自分のもの、失敗は部下に押し付けの部長。会社のスクープ記事を書こうとしている記者。人事権がない社長は引退を差し迫られる。 広報と聞いて、さほど大変というイメージはなかったけれど、今まで読んだ中で一番大変そうだった。記者と会社に挟まれ、責任を押し付けられ、責められて。そりゃないぜって感じ。2009/05/07
いっつぴょん
5
40年近く前の作品ですが、グイグイ読めてしまいます。下巻へ。2024/03/13
aichess
5
世界観がバブルを感じさせる。ハイヤーだの料亭だの。それにしても、昔は仕事で急用があると自宅に電話がかかってきたのか。今では考えられない。会社から携帯電話が支給されているだけで、あまり実態は変わらないのかもしれないが。2013/08/24
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