内容説明
権力に執着しつづける会長、その会長に追従するしか能のない、そのくせ会長を煙たがっている社長、その社長を無視して独断専行に走る常務、面子を潰された復讐心も手伝って、異常なまでにシビアな監査を行う大蔵省――。どこか何かが狂っている企業の中で問われるミドルのビヘイビアを鮮烈に描く問題作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
98
こんな血みどろの権力争いがあるのだろうか。一度権力を手にしてしまうと手放せなくなるのか。彼らの暴走に翻弄される部下達が気の毒である。いつも思うのだが会社は誰のためのものかを考えさせられる。2016/04/10
牧神の午後
8
何が厳しいって、主人公を我が身と考えたとき、どのような行動をとれば良かったのか、がさっぱり判らないこと。中興の祖で権勢を振るい会社の私物化甚だしい会長とその取り巻きに一社員ができることは、ある意味何もない。時代背景をさっ引いて、現在に置き換えてもなかなか厳しそうだ。せいぜい株主という「外部」の力に期待する程度か。捨て身の作戦に出た社長も、何故かしら某家具屋さんの骨肉の争いと重なって見える。ラストで左遷された主人公の冤罪もはれ、後添えも見つかりそうなとってつけたようなエンディングだけにリアルは?と苦くなる。2015/03/19
いっつぴょん
6
現在でも通用する年代を感じさせない作品。広報課長の苦悩を描いていますが、社長の心意気、木戸と玲子の関係などなかなか飽きさせない展開で面白かったです。2024/03/17
Masashi
5
上巻にも書いた、上層部とマスコミに振り回される損保ジャパンの木戸広報課長を主人公にした物語。展開的には下巻の前半は面白かったけど、最後が中途半端というか、個人的には残念な感じ。 この作品の広報マンの位置づけは、マスコミ対策に重点が置かれており、企業の情報を発信するという広報についてはあまり触れられていない。 情報化社会の今だからこそ、広報マンだけじゃなく、自身の情報発信が必要な人は読んでも面白い一冊だと思います。2012/06/18
たろう
5
損保業界の広報室に異動となったバツイチ子持ちの木戸課長の苦悩。出てきた山本五十六の名言はよかった。 苦しいこともあるだろう。 言いたいこともあるだろう。 不満なこともあるだろう。 腹の立つこともあるだろう。 泣きたいこともあるだろう。 これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である 。2009/05/10
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