内容説明
「セオイ」――それは、悩める人々が最後に頼ると噂される謎の伝承技である。技の使い手の鏡山零二と助手の美優は、西新宿の裏路地に居を構え、人知れず老若男女を救っていた。だがある時、有名作家の事故死との関連でベテラン刑事に目をつけられ、執拗につきまとわれる。必ずしも無関係とは言いがたいのだが……。鏡山はやがて、美女連続殺人事件につながる巨大な陰謀の渦中にのみ込まれていく――破格のエンターテインメント長篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
61
人の人生を背負うことで,その後の人生を変えてしまうセオイ。どうやって背負うのか、どうやって人生を変える事ができるのかというのは勢いで納得させられてしまったけど、ツッコミどころはたくさんあるようにも思う。でも、その勢いと熱さが良いので、今後もこの作者の本が出たら読むと思う。ネタバレにならずにこの面白さを伝えるのは結構難しい作品ですね2014/01/12
ナミのママ
53
アガサ・クリスティー賞の最終候補作で著者のデビュー作品。なんとも不思議なストーリーでした。セオイ=「背負う」、他人の人生を背負うという謎の伝承技、その使い手と、連続殺人事件が並行して進んでいきます。ミステリーというかSFというのか。10代で初めて半村良氏の作品を読んだときを思い出しました。色々な方の感想と同じく、もう少し・・と思う点もあるのですが、デビュー作品ですので。他の作品も読んでみたいと思います。2016/10/15
yu
49
人の人生に干渉して、その人の人生を変えていく「セオイ」。 セオイである鏡山は、ある作家の事故死をきっかけに、刑事田中と出会う。その出会いは偶然ではなく、鏡山のある過去に関わりが・・・。 デビュー作ということで文章が荒い感じがしたが、なかなか楽しめた。ラストがちょっぴり切なかったかれど、エピローグでめでたしめでたしなのかな。 『幸せは誰かの手から、誰かを巡り、誰かに届く。そうとは気付かぬまま、背負い、背負われ、人は生きていくのかもしれない。』2014/02/23
森オサム
37
著者初読み。第三回アガサ・クリスティー賞最終候補作。他人の人格に一時的に入り込み、人生の軌道修正の手伝いをする。それが「セオイ」と呼ばれる伝承技で有る、と言う訳ですから、本作はSFエンタメなんですね。クリスティ関係無くないですか?、まあそれは置いといて、結構面白い作品でした。「セオイ」のシステムの設定が緩すぎるのは弱点、また登場人物の背景、起きる事件がそれぞれ重すぎて気が滅入る、本作の総合完成度は微妙。ただ、この奇抜な発想をデビュー作で仕上げたのですから、パワーと勢いを、そして先を読ませるセンスは感じた。2017/08/10
ren5000
36
うむむ。人の人生を背負うからセオイという技?を持つ主人公だけれども人生というよりその人の人格に一時的に憑依してその後の人生を良い方向に変えてあげるっていう方がしっくりします。なかなかスピード感があってサクサク読めるけど、最後の対決前ぐらいから全ての登場人物がウザくて読むのに疲れたわ〜。全般的には面白かったけどね。2017/01/03




