内容説明
家光政権は土井利勝、松平信綱、阿部忠秋らの補佐のもと盤石かにみえたが、突如、苛政に耐えかねた島原の農民が蜂起。天草四郎を盟主とするキリシタン信徒もこれに呼応し、原城に立て籠った。鎮圧に向った板倉重昌は戦死し幕軍苦戦。家光は最も信頼する松平信綱を総大将に派遣し、一揆軍を皆殺しにした。
感想・レビュー
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k5
52
忠長の死を経て、舞台は島原の乱へ。芝居がかった調子のセリフ回しが続きますが、中身はけっこうサラリーマンあるあるで、若い上司と老練な部下みたいな緊張感がしみじみと伝わります。乱の鎮圧の初動を失敗しそうな家光を諌めない理由が、「最大の悪は主従の間に禍根を残すこと」というのは古い組織あるあるだな、と思いました。まあ、自分はそうはありたくないですが。2022/06/09
さつき
49
島原の乱や鎖国政策に大活躍の土井利勝。家康の落胤説があることを初めて知りました。というより、この作品では確定事項として、その風貌も家康にそっくりであるとなっています。その土井利勝や柳生宗矩、松平信綱、天海など老獪な人々に盛り立てられ名君への道を進む家光。よく言えば大気、天衣無縫な彼は、生まれながらの将軍であるがゆえに、我がままです。全4巻のうち半分を読みました。今後は、家康に比べるとずっと短い生涯の晩年になってくるのでしょうか。2017/07/29
あき
5
島原の乱の巻という感じか。先に読んで馴染みのある伊達政宗や柳生宗矩が出てくると嬉しくなります。由井正雪と捕鯨船について話す柳生宗矩はさすが。板倉重昌では周りに軽んじられるため松平信綱の派遣を薦めたとか。頼宣が島原の乱の後悟った感があったのは良かったけど、由井正雪らは何か問題を起こしそう。行き場のない浪人たちの扱い方は難しいものがあるようですね。あとはカンボチャのエピソードが良かったです。天海と名取三十郎のやりとり。天海、133歳!?生年ははっきりしないようですが、長生きだったのは確かなようです。2017/04/08
水戸
4
主に島原の乱。ほうほう、山岡荘八先生は、このように島原の乱を描きなされるのか~。有名な出来事は、作家さんによって、ほんといろんな解釈や思惑の交錯があるので、面白いです。そして、徳川家光……(;´д`)憂鬱にもなるよねぇ…………、がんば‼ 1巻のブイブイとは裏腹に、ラストあたり、ブイブイの反動みたいに、ズーンとなってます。2016/06/01
都人
3
「島原の乱」を中心に描く。それにしても天海僧正が家光の治世まで生きていたとは。2019/12/08