内容説明
<十二景と名づけず、「十二契」としたのは、ぼくと土地との契りをつづってみたかったからだ──>(本文より)。銀座、青山南町、六本木、そして新宿、四谷、沼袋、東伏見。住み替え、住み替えて生きてきたそれぞれの街、淡く濃く交わったそれぞれの女たちは、今どうしているだろう。戦後の焼跡時代からはるかに三十数年経って、風来無頼のままに年月を過した十二の町を、当時の記憶をたどって再訪し、巷に失われた時を探す、極私的な東京センチメンタル・ジャーニー。
目次
婦人士官が学生狩りをした町
国際劇場と赤線の町
逢びきと子規庵の町
線路渡れば夢うつつ
六本木
消えた坂道
銀座の川の水涸れて
東伏見の雨
大使館の坂道
沼袋ぬばたまの夜
青山南町の鮭缶
箱屋・検番・人力車
質屋米屋風呂屋四谷
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
5
大学生時代に東京に住んでいたのですが、ここに登場する場所には縁がなかったです。もっと東京を歩き廻っていたら良かったと後悔しています。
hiratax
2
野坂昭如の東京論。人に読ませる読ませない以前に、こうした街の記録はつけてみるのは面白そう。2017/11/07
go
2
これ読んで思ったのは野坂昭如、モテてないという事だった。プレイボーイキャラだったのに悲しい。記憶力は凄いです。2015/04/29
馬の背
1
野坂昭如って小説にもエッセイにもハズレの少ない書き手だと思うけど、これは中でも出色のおもろ読むべしな本。東京と女を放浪移住してきた記。2016/05/04
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