内容説明
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの波止場でQ紙の支局長蛍田の死体が発見された。その二日前、蛍田の妻緋沙子も何者かに誘拐されていた。Q紙の東京本社記者森村は、アメリカから帰国した鳴瀬特派員から、アマゾン上流に原爆製造の秘密基地があり、日本の黒い機関が絡んでいるとの情報を得る。その夜、二人は襲われ、鳴瀬は死んだ。事件の謎を追ってブエノス支局に森村は赴任する。長篇ミステリー。
感想・レビュー
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slowbird
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南米アマゾンの奥地で原爆製造の極秘計画が進んでいて、日本も関わっているのではないかという。それを新聞社のブエノスアイレス支局、リオ支局の記者と、ブラジル大使館職員の男が追及にかかる。それをいかにアマゾン奥地とはいえ銃で武装して潜入するのはかなり過激だ。スクープのためであり、巨悪を許さない意識、また組織側の防衛措置が過剰すぎること、それにそれぞれの個人的な心情のためでもあるのだが、やはり日本人にとっては核兵器への拒否感、反発が強く働いていることで物語が成立しているのだろう。2025/05/09