内容説明
出雲平野の背後に連なる山々の懐深く、三九個もの銅鐸が一カ所にまとめて埋められていた。銅剣三五八本が出土した荒神谷とは約三キロの近さだ。周辺弥生集落の発掘成果もふまえ、古代出雲観に強烈なインパクトを与えた加茂岩倉銅鐸群の謎と弥生の出雲世界に迫る。
目次
第1章 銅鐸群の発見(「加茂町の岩倉ってどこだ」;『出雲国風土記』と考古学)
第2章 埋納された銅鐸(「マムシ注意」の谷奥;全部で何個だ?;埋納状態の解明)
第3章 銅鐸と向き合う(運び込まれた銅鐸を手に;銅鐸の型と特徴を調べる;こんな銅鐸見たことないぞ)
第4章 兄弟銅鐸を追う(近畿から北九州にかけて広がる;製作地はどこだ;出雲の弥生青銅器)
第5章 古代出雲の原像(土笛とともに;青銅器に託して;「駅商国家」出雲)
著者等紹介
田中義昭[タナカヨシアキ]
1935年、島根県生まれ。1958年、早稲田大学第一文学部史学科卒業。1999年、島根大学法文学部教授を退職。現在、島根県文化財保護審議会委員など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
17
青銅器王国出雲2024/11/17
月をみるもの
10
古事記に描かれる出雲の存在感と考古学的な遺物の量の間には、おおきなギャップがあった。しかし荒神谷遺跡から出た銅剣と、(この本のメインターゲットである)加茂岩倉遺跡から出土した銅鐸群は一気にこの空隙を埋めることとなった。出雲はたんに西(九州)の銅剣文化圏と東(近畿)の銅鐸文化圏の間をつないでいただけではない。田和山遺跡から出た硯や角田遺跡の土器に記された線刻画によって、大陸とつながる独自の文化を持っていたことが明らかになりつつる。さらなる研究の進展から目が離せない。2019/03/03
rbyawa
1
e236、一言で言うと銅鐸パラダイスみたいな感じの本だったんですが、これ、たまに出土ニュースを聞くんですが完全に目的等々が不明だったんですね発掘関係読み始めるまで知らなかったw で、この回は出土した時点で「いくつ?」と聞かれた人が「正確にはわかりません」「なにそれ??」という会話を交わしてるので、20個以上ごろごろ出てくるケースが他になかったんだろうなぁ、この数が出土したのでどのラインがどの系統の型からなどという研究も一挙に進んだみたいです、てか、この土地には出てないんですが銅剣と一緒のこともあるんだね。2014/08/24
えひめみかん
0
来訪は発掘直後くらいなので、1997年くらい?大分様変わりしているようなので、また訪れたところ2017/01/03