内容説明
人けのない宮前空港で、折からの驟雨にずぶ濡れになって、約二時間も佇んでいる中年男がいた。宮前署の羽田刑事だ。彼はまもなく到着予定の旅客機を待っていた。この機の離陸直前、何者かが爆破を予告したのだ。ふと目を転じた羽田は、写真機のそばを動き回る三人の男に気がついた。中でも、長身の美青年の奇妙な動きが……。隙のない服装と端麗な顔立ち、だが、その挙動は常におどおどして落ち着きがない。ユニークな名探偵亜愛一郎が次々と難事件に挑戦する傑作事件簿!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
23
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-7f8a62.html2019/08/26
pyoko45
6
久しぶりの再読。やはり素晴らしい。とぼけたユーモアと予想外の展開、切れの良いトリックと鮮やかな幕引き。特に独特のロジックを駆使した謎解き部分がしびれます。今となると時事ネタが古びた印象があるものの、どの作品においても間違いなく上質の短編ミステリが堪能できます。2013/01/06
BIN
5
亜愛一郎シリーズ1作目。主人公の亜は女性をとりこにするような長身容姿端麗だが挙動がおかしかったりするものの、微妙な違和感から事件の真相を見抜く洞察力をもつカメラマン。その短編集です。ロジックは大分独創的で他の推理モノでもあまり見られないようものばかり。面白かったので続きを読んでいこう。ちなみに亜という姓は実在しないみたい。2017/03/20
TANAKA
2
ベストはDL2号機事件。次点で掘出された童話。「希硫酸の亜です。」が面白かった。 2015/12/15
redmove
2
隙のない服装と端正な顔立ちだが挙動不審の亜愛一郎が巡りあう様々な事件の謎を解く8篇の短編ミステリー集。30年以上前の作品ということもあり、方言なのか、意味が分からない言葉とか、今じゃ使わない言葉とかあって、ちょっと読みづらいかな。ミステリーのネタは突拍子もないものが多いが、それなりに面白い。2015/07/20