内容説明
東京一レートが高い地下賭博の女主人「殿下」。集まった客は、遊び屋春木、バーテン滝、落語家スケ、根っからのプロ利之助、ドサ健と、いずれもが一癖も二癖もある連中。金のケリは金でつけろ。それが彼らの鉄則だ。金がなくなった時が負ける時だ。誰をコロすか、誰がコロされるか? 一匹狼達の攻めとしのぎあいの壮絶な闘いが始まる。阿佐田哲也が渾身の力をこめて描く、長編悪漢小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかひろ
3
地下賭場の常連たちもカネが尽き脱落していき、最後に残ったドサ健、浜辰、チン、利乃助の4人が麻雀で最終決戦をするも、どうしても負けられないドサ健がチョンボをしてある局の勝負そのものを無効にする。ドサ健が調子良くなると他の者がチョンボをするという仕返しをされ、勝負が決まらないと悟った4人が解散し、ドサ健が寂しく街中に消えていくという、ドサ健らしからぬ寂しい結末(笑)気弱なドサ健を見られる唯一の作品かもしれない。『麻雀放浪記』の知名度に負けてはいるが賭博の恐ろしさ虚しさを書いた作品としては日本で最高のものかも。2024/01/31
mun54
3
凄い話だった。登場人物が一人づつコロされて、最後まで残った連中も、 地獄で生き続けるだけで勝者なんて誰もいない。2012/03/30
レコバ
2
こういうふうにしか生きられない。っていう話。その実マイルドな話を重く読ませるとか、現実から救いようのない部分を綺麗に取り除くとかに旨さがある印象。2014/11/27
トーマス
2
一旦鉄火場に入れば大事な金を紙屑と思い、自分の打ち方に殉じることだなあ。勝てる仕組みのない戦いはしないことだ。しかし一流の賭博野郎は常に斜め上をいく2014/03/14
タイコンデロガ級
1
最後まで残った健たちは特に何も得ていないっていう文字通りの「ばくち地獄」 前編の中盤辺りから後編の中盤辺りまでテホンビキがメインだったが、後編の終盤からは麻雀に。 やっぱり自分は麻雀描写の方が好きです。 2018/03/10