一瞬の夏(上)

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一瞬の夏(上)

  • 著者名:沢木耕太郎【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2013/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101235028

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内容説明

強打をうたわれた元東洋ミドル級王者カシアス内藤。当時駆けだしのルポライターだった“私”は、彼の選手生命の無残な終りを見た。その彼が、四年ぶりに再起する。再び栄光を夢みる元チャンピオン、手を貸す老トレーナー、見守る若きカメラマン、そしてプロモーターとして関わる“私”。一度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに、男たちは夢を託し、人生を賭けた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

75
沢木耕太郎の作品を初めて読んだ記念の本。「カシアス内藤」という東洋タイトルを目指すボクサーと同化させながら、はまることができる。  「カシアス」という名の不幸を取り上げた醒めた目も記憶に残っている。2010/05/08

ふう

67
平成25年32刷の文庫本。表紙がちがいますが、出版社は同じ。 新聞小説をきっかけにこの作家が好きになり、「ボクシング」という今まで全く知らなかった世界におもしろさを感じて読みました。深夜特急の旅から帰国して、また次に賭けるものを求めたルポライターの、夢を追う喜びと苦悩が伝わってきます。新聞小説の「春に散る」というタイトルもなんだか寂しい結末を予測してしまうのですが、「一瞬の夏」というタイトルが、夢を追う男たちの、夢の終わりを感じさせて、先へ進むのが不安です。2016/02/11

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

64
東洋ミドル級チャンピオン・カシアス内藤、カムバックのノンフィクションです。沢木氏は書き手でもありますが個人的にカシアスと深く交流がありました。デビュー以来24戦無敗でチャンピオンに昇り詰めてから急下降。ボクシングを離れて4年も経ってカムバックはありえません。ボクシングはそこまで甘くない。それでも戦う理由はやり残したものがあるという想いでしょう。燃え尽きるまで戦いたい。カムバックへの道筋は長く遠く曲がりくねっていました。2022/11/05

姉勤

42
1978年。戻るべきリングに立つため、バンテージを巻く二人の『カシアス』。かつて世界チャンプを嘱望された「カシアス内藤」と”モハメド・アリ”として知られる「カシアス・クレイ」。ひとりは4年のブランクからのカンバックを掛けて、もう一人は、三度目の世界チャンピオンへの座に。著者の目を通した「カシアス」像と、時代の空気、景色。異質なものが混ざって起こる化学反応。そして同質への帰属意識。黒人とのハーフである内藤が生きる日本と、アリの試合を観に著者が渉ったアメリカ。二人の心と行動が、二重螺旋の様にドラマをあざなう。2015/04/07

James Hayashi

34
カシアス内藤という元東洋ミドル級王者の再起を追うノンフィクション。プロであってもボクシングのマイナーなファイトマネーは当時10万円程で、場合によってはそれもなくチケットを渡され売ってなんぼの世界であったらしい。内藤の再ゲームはクラスを超えてのボクシング。世界チャンプであってもクラスを超えての勝負は殆ど勝てない。それを20kg程異なる相手とのゲームを組まれた内藤。4年半余り試合をしていないボクサーに対して、上のクラスのボクサーの試合なので気の抜けたサイダーの様だが読まされた。下巻へ。2018/11/30

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