内容説明
戦後出版界にいわゆる“十二章ブーム”を巻き起こした本書は、伊藤整の卓抜な批評眼が最も鋭く示された名エッセイとして名高い。第一章「結婚と幸福」 第二章「女性の姿形」 第三章「哀れなる男性」 第四章「妻は世間の代表者」 第五章「五十歩と百歩」 第六章「愛とは何か」……など。1954年度出版界ベストセラー第1位に輝いた名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Acha
8
読んだ本に出てきたという律儀な理由だけで特に覚悟なく挑む。旧字体…しょーじき勘も混じるが漢字の醍醐味。のっけから「全國婦人未婚者組合」や「結婚税」と穏やかでない展開で、今となっては馬鹿馬鹿しくも微笑ましい。戦後めざましく変わる世に書かれた女性へのメッセージをしげしげと眺めるに、変わったようで人の憂いはさほど変わらないのだった。明日には明日の愛、今日は今日の愛、なんかそれはちょっといい。2020/08/25
ルンルン
4
昭和28年に『婦人公論』で一年間連載された随筆集。こんな優しい文章を書ける人って素敵だな。2017/05/08