講談社文庫 明智光秀

著者名：桑田忠親【著】

講談社（2014/10発売）

• ISBN：9784061830530

内容説明

本能寺の変！　それは戦国時代においても、ひときわ異常な大事件であった。古来、この叛逆事件の謎は、種々取り沙汰されてきた。では謎を解くカギは――それは光秀その人の真の姿を浮き彫りにすることだ。著者は広範な史料を探り、卓抜な洞察力をフル回転してこの謎にチャレンジし、ついに解明に成功した。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[オルレアンの聖たぬき]

明智光秀に関する研究は、、、50年も前からほとんど変わっていなかった。変わってきたのはごく最近なんだと痛感させられる。

2021/01/19

[結]

★★★★☆

2014/05/27

[ムイシュキン]

光秀の伝記を半世紀前の当時の資料に基づいて丁寧に著述しています。その中で最も関心を引く叛逆の理由については、学説上「怨恨説」と「野望説」に大別されるとしています。著者の見解によれば、単なる怨恨ではなく光秀自身の前途に対する不安と絶望感から生じた自己防衛的な行動であったと推察されています。信長が叛逆した諸将に対して行った苛烈な処罰を目の当たりにしていたこと、また叛逆後の光秀が場当たり的な対応に終始し天下取りの明確な野望がうかがえないことがその根拠とされています。叛逆の真相に迫る新たな解釈を読みたくなります。

2025/10/14