内容説明
中原に戦雲たれこめ、天下まさに麻の如く乱れて、後漢の王朝はもはや崩壊同然であった。覇権を握った董卓の恐怖政治は猛威をふるい、董卓は長安遷都を強行、遂に洛陽に火を放った。関東の雄、袁紹を盟主に反董卓の兵を挙げた諸侯たちは、虎視眈々として中原を狙う! この時期の天下争いのトップは袁紹と袁術の兄弟であるが、一度は董卓に敗れたものの、青州黄巾軍三十万を手にした曹操が擡頭し、勢力分野に微妙な変動がおこりつつあった。陳三国志の第二弾!
感想・レビュー
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カムイ
48
董卓の悪逆無道の行いは図らずも潰えるけど、呂布のヤンチャ坊主を三国志を彩りを添えている、貂蝉は実在はしていないらしいが演義での場面では面白いくらい呂布が翻弄されるさまは痛快でもありまた悲しいまでの性に呆れる。曹操は青洲兵(黄巾軍)を手に入れ天下の一歩前に❗️次巻では袁紹と対峙か⁉️この時代は占いにより兵の士気を高めるのは陳舜臣の三国志の解釈でもあるのだろう。2022/06/04
金吾
29
○超人が出てこないのため、爽快感は劣るかもしれませんが、リアリティーはあるように感じます。劉焉みたいなメインを張らない人の話も面白いです。2023/02/15
飛鳥栄司@がんサバイバー
16
董卓討伐連合軍を外側から描いてみたり、董卓の暗黒政治を薄味に仕上げてみたりと、なかなかに斬新な書き方。さすがに孫堅に関してはしっかり書いているけど、超不遇の曹操については流し運転。「五斗米道」視点もあり、いつのまにか蜀で力をつけていた劉焉に言及しているのは興味深い。少容と陳潜の出番も少なくなりつつあるので、張魯にはいまだスポットは当たらず。この巻は、孫堅の憤死と、董卓が誅殺されて呂布の流浪が始まり、李傕と郭汜の小競り合いまで。2022/07/20
明智紫苑
16
再読。呂布が無邪気で無神経なキャラクターだな。後の巻(並びに、陳さんの他の三国志小説)に出てくる曹彰もかなりの無神経野郎だが。蔡邕の琴のエピソードは、クイーンのブライアン・メイ氏の手作りギターのエピソードを連想させるね。2019/01/11
HaruNuevo
9
五斗米道と浮屠という切り口から三国志を語ると、こんな面白い物語になるんだ、と感心することしきりである 乱世は董卓による暗黒政治から、董卓亡き後の小物たちが割拠する混迷を極める時代へと移っていく 2巻読んだけど、劉玄徳がまだ端役程度だチラッとしか出てこないところもなんかこう新鮮2022/06/15