内容説明
信康の死で世継ぎとなるべきお万の子於義丸に、家康はなぜか父の情すら示そうとはしない。父と息子二人ながらに愛されその子を生んだ女の業、苛み憎みながらも断ち切れぬ執着に悩む男。絡みあった糸のごとき愛憎を呑み込んで時代は豊臣の天下となり、お万の運命はさらに過酷な転変をとげる。
感想・レビュー
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まつり
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お万、於義丸親子のその後が気になる。 結局家康は、己の猜疑心と嫉妬にかられ、自らお万を手放したも同然。さかのぼればお万に罪は何一つない。そんな自分の運命を受け入れ、お万なりの戦い方で、この乱世を生き抜いていく。結構芯が強くしたたかな女性である。えんまの存在がこのお話を、より輪郭のはっきりしたものにしている。2017/03/19
秋はeuglena
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1985
33
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大奥の原形となるものを垣間見た気がする…形式的にも女性集団特有の感情的いがみ合いにも。むしろこうして側室達を一カ所に集めることから大奥が出来たのだろう。個人的にはお万の方の想いはやはり家康に向いてるのだと思う。家康が好きだからこそ信康に浮気してヤキモチを妬かせたかったのかなーと。於義丸可愛いすぎ。2010/10/09