目次
第1部 縄文式階層化社会と土器の社会的機能―土俗考古学的・構造的アプローチ(問題設定;階層化狩猟採集社会:北洋沿岸民族例;階層化狩猟採集社会:構造モデル;縄文式階層化社会)
第2部 狩猟採集から農耕へ(農耕化過程に関する土俗考古学的進化的モデル―ハードウエアとソフトウエアの可分性を中心とする;農耕創始者としての退役狩猟者層―民族誌的情報にもとづく生態学的モデル)
感想・レビュー
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Mentyu
4
縄文時代が平等な狩猟採集社会ではなく、ある程度の階層化が進んだ社会であったということをアイヌや北米インディアンの民族事例をもとに論じている。優品の縄文土器が"prestige goods" として社会的に機能していたと指摘するなど、興味深い論考が展開されているが、アイヌやインディアンの事例を、時空間共に隔たる縄文時代に適用しても良いのかという疑念は読んでいて終始つきまとう。考古学的な情報しかない中で社会を論じようとすると、民族事例の参照が不可欠なのは分かるのだが...。2018/02/24